どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

徹夜

 スーパーで、ペットボトルのお茶を買い物カゴに入れ、おにぎりを探したが、時間も時間で見あたらず、スーパーに近いローソンに行き、おにぎりを6個(シャケ3個と昆布3個)、からあげクンが4個しかなく、4個買い、職場に戻る途中で、感染予防の観点から一緒に食べるのはなあと頭を過って、町にある、もう一軒のローソンに向かった。そのローソンには、からあげクンが2個残っていた。今、この時点で、この町にあるからあげクンは、俺が買い占めたことになるという言葉が頭の中にうかんだ。車内の時計を見ると、20時半だった。ダンボールを両手で持ち、職場に戻り、集合、とそれぞれが散り散りに仕事をしていた部下を集め、今日は、徹夜になるんだろうから、とダンボールを見せた。徹夜はしません、と部下は笑った。

 社内の実践報告会があり、私の部署から1チームが予選を通過した。決勝のプレゼン動画の締め切りが、23時59分で、部下は根詰めて、その制作にあたっていた。ちなみに、予選の提出期限もギリギリだったとのことだった。前回の話になり、2ヶ月前に就職したばかりの職員が、大丈夫です、23時59分まで、あと3時間もあります、あと2時間あるので大丈夫です、とポジティブな言葉をかけていたらしい。私は、その話を訊いて、私たちのチームはネガティブな者が多いから、ポジティブな人は貴重だわ、と笑った。

 私は、一切の口を出しをしないと決め、部下にまかせることにした。部下の頑張りを労うのが、ここでの私の役目であるのは、私も承知している。私の部署からは2チームがプレゼンに応募し、予選を通過しなかったもう1チームの者たちも、決勝に向け、バックアップに回る。私は、おにぎりを食べ、からあげクンを食べて、お茶を飲み、作業の様子を眺める。本来のやるべきことで、一生懸命になり、一緒に喜ぶという当たり前のことが嬉しい。決勝は3チームが争う。代表者を選んで欲しいということだったので、部下の一人を指名し、連絡した。表彰式を想像し、それでは、と部下の挨拶の後に、私の挨拶なんてないのに、想像してみる。胸が熱くなった。