2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「恥かいちゃったね」 食事中に、ばあちゃんは、何の脈略もなく、俺にそう話しかけた。 「何が?何が恥かいちゃったの?」 じいちゃんとばあちゃんと俺の3人しかいない家で、今、誰が、恥をかいたんだと、ばあちゃんに聞き返した。 俺には恥をかいた人は見当…
ホテルの屋上は、洗濯物を干す場所になっていて、心地良い風が吹く。 そこにあるベンチに座り、綺麗な女性は、可愛い女の子に話かけた。 「あの花はね。あんたが割っちゃった花。・・・アネモネっていうの」 可愛い女の子は、うつむいて、その話を聞く。 「…
歴史上の人物で誰が一番、好きかと聞かれれば、 迷うところだけれども、「前田慶次」と答える。 「花の慶次」って漫画があるんだけど、もう何回となく読み返した。 その原作となった本が、一夢庵風流記。 今日、紹介する本の著者、隆慶一郎が書いたもの。 以…
俺の読書週間は、読書月間にかわった。 それ程、読みたい本があるおかげだろう。 今日、紹介する本は、コインロッカー・ベイビーズ。 コインロッカーに捨てられ、乳児院で育てられたキクとハシ。 鰐を飼う美少女、アネモネ。 3人の凄まじい物語。 本当、凄ま…
殺風景な部屋で、目に止まったビニール袋。 見慣れた黄色のタウンページ。 俺は、その場に座り、ビニール袋から黄色のタウンページを手に取る。ページをめくる。 作業着・・・、笹かまぼこ・・・、あった、雑貨店。 そこには、小さく赤い文字で、注意書きの…
店内は、所狭しと、いろんな物が置かれていた。 俺は、店内を見て歩き、ポストカードが置いてあることを確認した。 最初の勢いは、陰を潜め、小心者が顔を出す。 それにしても、緊張するなぁ。買い物に来るのとは、全然、ちげぇや。 足の裏に、何か変な汗を…
デザインフェスタのポストカードコンテストはどうだったんだろう? 楽雲庵塾を見てくれている人で、行った人はいるのかな? いつかデザインフェスタにも出展してみたいなぁ。 それでは、本日。次なる参加イベントをご紹介します。 「ARTs*LABo P-web04」 今…
日本を駆け抜けてきた桜前線は終宴を迎える。 最後に到達する場所は、北海道、東の端、根室(ねむろ)。 根室にある清隆寺で舞う。 いつだったか、テレビで見て以来、頭の片隅にあった桜。 その桜を追い、俺はひたすら夜道をかっ飛ばす。 東へ、東へ、かっ飛…
「起こること全てに意味がある」 以前、聞いた、その言葉をふと思い出し、俺は考えた。 考えてみて、やっと知った、その言葉の意味。 糞みたいな出来事も、何か意味があるのか?何か俺に教えてくれてるんじゃないのか?って考えると、糞は糞だけど、ただの糞…
ふと、実家に帰ってみようかと思った。 北海道に戻ってきて1ヶ月、一度も帰っていなかった。 次の日は、用事があったんだけど、帰ろうかなと思った時に、帰ったほうが良いな。そんな気持ちになって家に電話した。 電話には、母がでた。 「これから帰るわ」ぶ…
今日、紹介する本は、前々回、いしいしんじ著『ぶらんこ乗り』の記事を書いた時に、このブログにメッセージをもらって、おっ、もう1冊読んでみようかと買ってきた本。 一気に、物語の世界に引き込まれた。 絵本みたいだけど、絵は載っていない本っていうのか…
俺は、そこに救いを求めた。答えを探した。 「ここにもなかった」 読んだ本を閉じ、また、違う本を手にする。 「結局、答えなんて、ここにはない」ってことを知ったのは、 何十冊となく本を読んだ後だ。 俺は、仕事を始めてすぐの頃、 仕事が辛くてどうしよ…
友達が、オーストラリアに旅立ち、2年ほどの月日が流れた。 友達が北海道にいた頃も、俺は新潟にいて、 会っても1年に1回程度だったけれど、 住んでいるところが外国ともなると、 2年が長いように感じた。 全く、連絡をとりあっていなかったわけじゃあない。…
桜が最後に舞う地は、北海道の東。 清隆寺という場所で咲く。 桜を追うようになってから、一度は観てみたいと思っていた桜。 開花予想は、15日と聞く。 もう少し先のこと。 そんなことを考えていたら、ふと、この前、交わした会話を思い出す。 「最終目的地…
本屋に行くと時々、気になっていた本。 こんなに気になっているなら、買った方が良いなって買った。 イチローの言葉を集めた本。第2弾。 今回は、WBC優勝時の言葉や7年連続200本安打を達成した時の言葉が多く残っている。 テレビごしに観る人達は、華やかが…
「ばあちゃん、桜を観たいから神社に連れってってよ」 数日前、桜の記事が載っている雑誌を見ていて、 ばあちゃんちの近くにある神社に、 桜の木があることを知った。 ちょうど、桜は満開だろう。 ばあちゃんと桜を観に行くのも良いな。 ばあちゃんと桜って…
俺は、本を読み終わり、もう一度、手紙を読んだ。 今日、紹介する本は、手紙と一緒に同封されていた贈り物。 本の贈り物ってのは、なかなか嬉しい。 初めて読む作家、いしいしんじさん。 本の半分くらいまでは、切ないなって、胸がしめつけられる感じだった…
その導火線は、北へ、北へ、北上を続け、 日本各地で花開き、咲き乱れ、 とうとう北の大地、北海道に到着した。 5月のこと。 「北海道の桜と言えば、どこですか?」 俺は、幾人かの人に聞いた。 みんな口を揃えたかのように、こう言う。 「静内」 静内、二十…