どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

 何やら流れが悪い。調子が悪い。問題が立て続けに起こるから、流れが悪いと思うのか、流れが悪いと思うから、問題が起こるのか。問題山積みとはこのことだ。

 知らず知らずのうちに、肩に力が入っているのだろう。肩と背中の張りがひどい。身体を整えようと、いつもの治療院に向かった。

 少しばかり時間があったので、治療院の近くで車を停め、読みかけの鈴木大拙『禅とは何か?』を読む。

 “われわれが精神的不満を感じるということには、その半面にすでに満足しているということをも同時に意味しているのであるということを忘れてはならぬ。答は問の中にある。鈴木大拙『禅とは何か?』p12"。

 これ、これ、この感じと思った。一度、読んだだけでは理解できない。何度か、咀嚼する必要がある言葉が最近の好みである。と思ったと同時に、職場の部下が、音なき音に耳を傾けよ、と合気道の先生に昔、言われたのを思い出したと、業務日誌に書いていて、わかるようでわからないが、何か大切なことを伝えようとしているのはわかる、と思ったことを思い出した。

 治療院の先生(先生と呼ぶのは好きではないが、先生と呼ぶのがわかりやすいので、そう呼ぶことにする)も、合気道を習いたいと思っていた過去があり、時々、合気道の話を施術中にする。施術している手を止めて、身振り手振りを交えることもしばしば。今回は、合気道の話ではなく、ムーンウォークの練習をしているんだよね、と実演をしていた。

 施術が終わったら仕事をしようと思っていたけれど、睡魔に襲われ、休みの日くらいちゃんと休もうと、自宅に帰り、昼寝というか夕寝をし、禅についての雑誌をぺらぺらとめくった。

 スティーブ・ジョブズの「ベストを尽くして失敗したら、ベストを尽くしたってことさ」という言葉が良いな、と思った。

 

 

普通

 引越業者からアンケートを書いてくださいと一枚の紙を渡された。ちなみに後日、提出して欲しいというアンケートには書かない。なぜなら、めんどくさいから。そのアンケートに、自宅にあるもので、大切なものは何ですか、という項目があり、そんなに大切なものってないなあ、と思いながら、思い浮かんだのが、本だったので、本と記入した。荷物のほとんどが本で、本を処分したら、引越の見積りは、どれほど下がるのだろうか。荷造りをしていると、この本は、もう何年も読んでいないから売っても良いなあ、と頭を掠めるけれど、どうせ、1円とか5円でしか買い取ってももらえないなら、手元に置いておいた方が良いのではないかという気がして、こうして、引越しをするたびに運んできた。

 小説は紙で読むほうが好きだけど、ビジネス書やマンガは電子書籍でも良いなと思うようになり、今は、紙と電子書籍を併用している。(マンガの中でも、手元に紙で置いて置きたいマンガについては紙の本で置いてある)。

 快適に電子書籍を読みたいということもあり、iPadを購入したのが、今年の夏のこと。iPadで最初に購入したのが、マンガで、最新刊1冊を買ったつもりが、まとめ買いボタンを押していて、大人買いをしてしまい、キャンセルをするには、どうすれば良いのだろうと混乱しながら調べたが、途中で、どうせ手元に置いておきたいとも思っていたから、いいや、となった。ここのところは、iPadで、この日記も書いており、もはや、私のライフスタイルだと、デスクトップも必要ないかもしれない、と思い始めている。

 今は、電子書籍で、水野学『センスは知識から』を読んでいる。水野学さんって、どんな人なのだろう、とWikipediaで調べたところによると、くまモンのキャラクターデザインをした人であった。

 私も仕事上で、センスという言葉を時々、使用し、その場合のセンスというものは、先天的なもののような気がしていたけれど、センスの定義と訊かれれば、言葉に窮してしまいそうだ。

 普通こそ、「センスのいい/悪い」を測ることができる唯一の方法です。水野学『センスは知識から』p15

 普通を知る唯一の方法は、知識を得ることです。水野学『センスは知識から』p59

 読みながら、思い出したのが、プロダクトデザイナーの藤澤直人さんのことで、どうも、普通には、何かがあるようだ。

  みんなが「へえー」と思うものは、ある程度知っているものの延長線上にありながら、画期的に異なっているもの。「ありそうでなかったもの」です。水野学『センスは知識から』p65−66

  売れるものには必ず、「シズル」が存在します。・・・僕は更に広く捉えて、「そのものらしさ」をシズルと表現しています。水野学『センスは知識から』p78

 ありそうでなかったものを作り出す時、しばしば「差別化」という言葉が使われます。これは本来、「ほんの少しの差」を指すのではないかと僕は解釈しています。水野学『センスは知識から』p95

 どれだけ幅広い知識を得られるか?それらをどう融合させるか?最終的にどれだけの精度でつくりあげられるか?この一連のプロセスこそ、デザインやブランディングに欠かせないものだと思います。デザインは細部に宿る。ブランドは細部に宿る。水野学『センスは知識から』p96−97

 

 

  

引っ越し

 アパートの隣の空き地に戸建が建つ。いつかはわからない。わからないが、戸建てはあっという間に建つということは知っていて、今年の冬を迎える前に引っ越しをしようと決意するに至った。というのは、我々、アパートの住民は、誰もが、その空き地に雪を捨てていて、その空き地に雪が捨てられないということは、当たり前のように雪の行き場がないということで、解決策といえば、引っ越ししか思いつかなかった。

 あれよ、あれよ、と引っ越し先は決まり、今月末には引っ越しをすることになった。

 そう言えば、その引っ越し先の内覧をする日に、なぜか、ふと、40年来の友人の顔を思い出し、ショートメールを送ろうと思って、メッセージを開いたら、前回、送ったのが2019年のことだから、既に3年の月日が流れていて、驚いた。

 その夜、友人からの電話が鳴った。昨年、私に年賀状を送ったが、戻ってきたので、死んだかと思ったと言っていた。私は、死んだと思ったのなら、電話をしてくれないと、少なくとも、俺だったら連絡する、と言った。

 で、引っ越しである。自宅には、引っ越し業者から届いたダンボールが、そこかしこに置いてある。あと2週間で引っ越し作業を終えなけらばならない。私は、ダンボール2箱と、もう着ないであろう服を車に積んで出かけた。

 昼を過ぎていたので、ラーメンでも食べようかと思った。先日、行った店に行こうと思ったが、名前を思い出せない。庵という字がついていたことは覚えているのだが、そもそも店の読み方がわからず、名前を覚えていなかった。Googleマップに、中華そばと入力し、店名を見て思い出すことにした。斗香庵Higashiだった。何と読むのだろう。食券機で、ラーメンを選んでいると、店内から、女性が声をかけてくれた。前回も同じ女性だったかは定かではないが、前回も、気持ちの良い接客だった。もちろんラーメンも美味しい。ラーメンを食べながら、ラーメン好きの友人がいつか北海道に来た暁には、連れてこようと思いながら、ラーメンを啜った。

 自宅に帰ってきて、ソファで横になりながら、気づいたら寝ていて、起きた時には、夢を見ていたはずなのに、こうして、日記を書く段になると、どんな夢だったか、断片すらも、思い出すことができない。最近の印象深い夢と言えば、熊と遭遇し、戦うことになった夢で、私の夢にはたまあに、熊が出没する。

 ここのところ、仕事から帰ってきて、お風呂や食事をして、少し、YouTubeなんかを見ていたら、眠くなって21時には寝ることが多かったけれど、今日は、夕方に寝ているので、珍しく眠くならない。だから、こうして日記を書いている。読みかけの水野学『センスは知識からはじまる』を読みながら、布団に入ることにしよう。 

落合監督時代の中日が強かった理由

 アパートの玄関を出ると、秋の匂いを感じた。私にとっての秋の匂いは、この匂いだ。ただ、この匂いは、何の匂いかはわからない。

 コンビニでNumberの表紙が目に入った。落合監督と野村監督が表紙だった。1058・1059号。Numberにも合併号があるんだ、ジャンプみたいだな、と思った。

 野村監督の記事は、これまでも、よく目にしたし、読んできたけれど、落合監督の記事って、あまり読んだ記憶がないな、と思いながらページをめくった。ミーティングは年に数度、選手へのアドバイスは聞くと教えてくれる程度。奇を衒った采配はせず、特別な作戦もない。なぜ、あの時代の中日は強かったのかがわからない。

 Numberを閉じた後も、何度となく一つの記事を思い出していた。落合監督は、ルールを研究し、飛ばないボールを導入したこと。現役時代も、野球規則、野球協約アゴリーメントを隅々まで読み、何ができて何ができないかを把握していたこと。落合監督がしたことは、私の仕事だと、どういうことだろうかと考えた。

 私は、ソファに座り、YouTubeで、落合監督が出演している動画を何本か観た。そうか。あの強さは練習にあったのか。プロの世界でもか。キャンプ初日に紅白戦をしたというのも、オフに練習をさせるためということを知り、今になって、本当のところが見えてきて面白い。もっと落合が欲しい。

 

 

いくら丼

 雲を眺めると秋を感じるというのに、北海道には珍しく残暑である。職場の元同僚が、デイキャンプをしたいと言うので、キャンプをすることになった。今年は、一度もキャンプをしていなかったこともあり、ちょうどキャンプをしたいと思っていたところだった。

 そう言えば、新型コロナウィルスが、私たちの職場を襲った時期に、ホテル暮らしをしながら職場に通っていたのだが、キャンプをするのが、経済的なのではないか、と頭を過ったことがあり、実際には実行にうつすことはしなかったのだが、キャンプ好きの職場の同僚にその話をすると、その同僚は、キャンプをしながら職場に通っていましたと涼しい顔で言った。

 午前9時に、元同僚が自宅に迎えに来て、私のキャンプ道具一式を車に積み込み、キャンプ場近くのショッピングセンターで、炭や薪、食材なんかを購入して、キャンプ場に到着した。もう秋だから、人も少ないのかと思ったけれど、まばらにキャンプをしている人たちがいた。私たちは、人気がない木陰のある場所に、車を止め、イスを出し、炭に火をつけ、焼き鳥を焼いた。

 昔から見る夢ってあります?と元同僚が私に訊いた。昔から見る夢なんて、あるの?と逆に質問し、説明をしてくれたのだが、夢ということもあり、現実離れしていて、理解に苦しんだ。私は、昔から見る夢はないけれど、子どもの頃、繰り返し見た夢というのはあるよ、と発熱した時にしか見ない夢の話だったり、空飛ぶ夢の話をした。

 元同僚は、夢の話を続けた。僕、仕事をやめる前に、よくドローンが落ちてくる夢を見たんですよ、と言った。夢占いで調べると、どうも、何かに追われているそうなんですよね、と言いながら、そう言えば、いくら丼の話ってしましたっけ?と言われ、タイトルが、いくら丼というのが、あまりにも突拍子もなく、話始める前から、おかしくて、笑いが止まらなくなり、涙を流しながら、ひーっ、ひーっ、と言って笑った。内容を聞いていないのにだ。キャンプ場で良かった。

 気づけばというか、時計も気にせず、思いつくままに話していた私たちが帰る頃には8時間が経過していた。8時間と言えば、職場の勤務時間である。

名乗り出ない美学

 高校、大学ともに、野球部のマネージャーをしていると聞き、私は、なぜ、マネージャーをするのかを訊いた。マネージャーは、日の目を見ることがない役回りで、大変なことばかりではないか、と。その人は、子どもの頃、家族でプロ野球を観に行ったきっかけだったと言った。そして、同期の野球部員が良い人ばかりだった、と続けた。

 高校時代は、先輩が3人いて、4人でやっていたマネージャーの仕事が、私の代になって、マネージャーがひとりになり、やらなければならないことが追いつかなくて、次の日で良いや、と思って、次の日、部活に来てみると、その仕事が終わっていることがあったとのことだった。野球部員の誰かが、名乗りもせず、手伝ってくれていたとのことだった。誰かは、おおよその検討がつくが、最後まで名乗り出なかったという。

 そりゃあ、かっこいい男だ、と感心した。高校生で、なかなかできるものではない。私だったら、やっといたからねと言うか、一緒にやるよ、と声をかけるかするだろう。いや、その大変さに気づかなかった可能性も大いにある。私もそのような男でありたいと思った。名乗り出ないところに美学がある。

 

北海道マラソン

 現在、泊まっている宿は、明日が最終宿泊日で、26日から宿泊できる宿を探さなければいけなかった。新たな宿を探したが、いいところが見つからず、もう同じ宿でいいやと思って、日曜日まで予約しようと受付に座るスキンヘッドの宿主にその旨を伝えると、土曜日が満室とのことだった。宿主によれば、土曜日は、北海道マラソンとのことだった。そういえば車で走っている時に、北海道マラソンで、道路が通行止めになるという注意書きを見た。宿が取れなくなるほどのイベントなんだ...。残る選択肢は車中泊だった。ここ近年、キャンプをするようになったのも、この日のためにあったのではないかと思わなくもない。私の職場は、田舎にあり、そこら辺にテントを張ってもよさそうな場所は容易に想像できた。キャンプをしながらの出勤も、これまた新鮮なのではないか、と想像したが、私にはテントはない。近年、キャンプはしているが、テントよりも車中泊でしょ、と思っている派なので、テントは持っていない。で、車中泊である。その車中泊用の車というか、車中泊ができるように購入した車は、普段、妻が使用していて、妻がコロナになった今、消毒から始めないといけないので、これまためんどくさい。どうしたものか、と思っているところに、会社で借り入れているマンスリーマンションが空いていることを知る。忘れていた。コロナの対応をしている職員のために、今月のみ、マンスリーマンションを会社で借りていたのだった。そんなこんなで、26日からは、そのマンスリーマンションに泊まることになり、その場所は、札幌市ではないので、札幌市住所不定という名のこの企画は、ここまでとなった。突然の最終回である。