どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

内在的論理

 仕事を終え、返ってきた私に、妻が、佐藤優って知っている?と訊いた。クローズアップ現代佐藤優が出演していて、おもしろかったと言っていた。妻の話を聞いていて、興味が惹かれたのが、内在的論理の話だった。NHKのホームページを読むと、こう書かれている。

 「内在的論理」とは、それぞれの国、あるいはそれぞれの団体がどのような論理でこのようなことをしようとしているのかということです。その論理をまず知ることが必要だと。つまりそれに賛成する反対するということではなく、まずは相手のことを知ろう、あるいは言ってしまえば敵のことを知らなければ対応もしようがないでしょうと、こういうことですね。

 今、「論破」って言葉があるでしょう。「論破王」がいたりしてですね。「論破したぜ」というと、そこで終わっちゃうんですね。論破したよ、はいおしまい、になる。だから世の中はダメだんですよ。そうではない、相手との意見が対立していても、でも相手が何を考えているかを理解した上で、それについて対応する。そうしたらまた向こうから返ってくるという形で、キャッチボールが行われますよね。それが結果的に次の解決につながってくる。とにかく「相手が論破したぞ」、「こっちが勝った」。勝ち負けだったら先に進まないわけですよね。結果的に対立が続くということになる。対話でとにかく何を言っているのかしっかり理解した上で、それについて私はこう思うという形で、少しでも議論をかみ合わせていくということ、それが(物事の)解決に進んでいくということだろうと思うんですね。『クローズアップ現代取材ノート』25年ぶりの“出演““佐藤優“とは何者か

 20代の頃、上司に同じような話を訊いていたことを思い出した。他職種との連携のコツを訊いた時に、上司が、「聞くことだよ」と言っていた。聞くこと?と呆気に取られている私に、なぜ、相手がそう言っているのかを考えること。まさしく内在的論理。20代の頃から、その言葉を、今も大切にしているけれど、私にとっては実践するのは難しい。

 今の私にとって、必要な話だったのだろうと、次の日の朝も思った。なぜなら、その日は、立て続けにいろんな職員だったり、学生だったりと話をする機会があったから。つい先日、部下に、教えを乞いたいのではありません。対話をしたんです、と言われたばかりだし。

 ということで、私は、まずは、話を聞かせてよ、その日は、みんなの話を聞いたのでした。