私の苦手なことの一つは、説明をすること。仕事の上では提案することも含まれる。
先日、私たちの事業の増収なら、私たちの拠点の増員につながらないとおかしい、というような意見を部下から訊いた。
もちろん。私も同じ気持ち。期待させて実現しなかったらなあと思って、言っていないけど、私は、増員のお願いを合わせてしている。水面下で。
今年に限ったことではない。何年も増員をお願いしている。ただ人件費が一番、支出に占める割合が大きいから経営陣は慎重になる。よってハードルが高い提案となる。
今の職場に限らない。これまで働いてきた会社でも、増員が必要だと思えば、訴えてきた。ただ、実現した試しがない。
そんな部下の話を訊きながら、これまで私が訊いてきたいくつかの言葉を思い出した。
価値観が違う人との調整が難しい。どうすれば良いか?私は、上司に訊いた。上司は、こう言った。
「聞くこと」
当たり前すぎて、え?と呆気に取られた。理由を訊いていくと、奥が深い。
相手が何を考えているか、まずは知ること。私は、自分の意見を通そう、論破するにはどうしたら良いだろうということばかり考えていた。
今は、相手が何を求めているかを意識して、提案することにしている。
実現可能か?持続可能か?という観点で考えている上司には、それに応える形での提案でなければ、その提案は通らない。
2つ目。「正論がいつも通るとは限らない」
その頃の私は、いかに根拠に基づいた提案をするかを考えていた。根拠に基づいた提案をすることは正しい。ただ、根拠に基づいた提案。つまりは正論でも、必ずしも通らないのはなぜか?
普段の関係性も大事だろうし、相手のことを考えた提案というか、相手のメリットになる提案になっている必要もあるだろう。
3つ目。「この人、まだ言っていると思われるくらい言い続けているか?」
私は、一度、提案して却下されると、あきらめていた。その言葉を私に言ってくれた上司は、一度目の提案は、爪痕を残せば良いと言っていた。
4つ目。「腐るな」
必ずといっていいほど、働いていると、腐りたくなる状況は訪れる。なぜ周りは自分がこんなに大変なのに理解してくれないのだろう?と思う。だから、辛い自分をアピールする。これ、実は逆。マイナスのアピールは受け入れ難い。腐らないで仕事をしていると、すぐに効果は発揮しないが、遠回りのようで近道になる。