どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

劇団四季『リトルマーメイド』

 定期的に鍼・整体に行き身体をメンテナンスしている。ここのところ、仕事で問題続きで、背中の張りが、酷い。

 鍼兼整体師の渡辺さんは、いつものように私の背中に鍼を刺したり、筋肉をほぐしながら、取り留めもない話をし、私は、適当に相槌をうち、適度に感嘆の声をあげた。渡辺さんは、空手の師範でもあり、治療中に、その話もよくする。11月3日に、空手の昇級試験があるみたいで、小学生の教え子に、試験を受けるだけ無駄だから辞めておけ、と伝えたらしい。渡辺さんは冗談好きだから、その教え子も、冗談だとわかる関係性なのだろう。その教え子は、ことわざか何かですか?と返してきたと言う。どこに、ことわざの要素があるかわかりませんね、と私は笑いながら返した。そこから、礼儀作法の話になり、礼儀作法は、無駄な戦いをしないためにある、というようなことを渡辺さんが言っていて、確かに、頭を下げるという行為自体が、相手に敵意がないことを示す動作だということを、どこかで聞いたことがあると思い出しながら、改めて、コミュニケーションの基本は、礼儀作法にあるな、と思った。

 鍼・整体の後は、普段、飲んでいる薬をもらいに病院に行ったのだが、玄関先で、健康保険証と、診察券を持っていないことに気づき、ああ、無駄な時間を過ごした、と帰宅して、やきっぺを作り、プロスピAをし、夕方に、妻と劇団四季を観に行く約束をしていたので、早めに札幌に行って、買い物をしたかったので、徒歩で最寄り駅まで歩き、JRで札幌駅に到着した。

 ステラプレイス内にあるCA4LAに向かった。ここ数日間、茶色の帽子が見当たらない。どうも、どこかに置いてきたらしい。色褪せてきたので、そろそろ買い替えどきだとは思っていたけれど、なくなると、あああ、と嫌な気持ちになってしまう。

 女性店員に、Lがいいか、Mがいいかだったり、ネイビーはないか、いや、ワインレッドも見てみたい、といくつかの帽子を取り寄せてもらうことにし、スタバに来て、足立紳『したいとか、したくないとかの話じゃない』を読んだり、こうして、iPadを開き、ブログを打ち込んでいる。

 私の隣に座るカップルは、中国なのか、香港なのか、台湾なのか、そんな言葉を話している。男性は、パソコンを開き、何かを打ち込み、二人とも、旅行にしては荷物も少ないことから、日本在住なのだろうか。そろそろiPadの充電も16%で、妻との待ち合わせ時間も近づいてきたことなので、劇団四季近くの喫茶店まで移動することにした。

 二軒目の喫茶店で、足立紳『したいとか、したくないとかの話じゃない』を開き、著者が男性だけど、主婦は、こんな心境で生活しているのだろうか、と熱中しているところに、仕事を終えた妻が合流し、二人で東1丁目劇場に向かった。

 リトルマーメイドは、2020年に札幌公演があって、その時に、チケットを予約していたのだが、私たちが、観に行く予定だった日に、新型コロナウィルス蔓延により、公演が休演となってしまった。

 今回は、アンコール公演として、8月から再び東1丁目劇場で公演している。8月から3ヶ月も経っているし、そこまで人がいないのかなあ、と想像していたけれど、ほぼ満席。私たちは前から4列目だったか、5列目で、席近すぎない?と思ったけれど、実際、幕が上がると、演者の表情も見え、さらに、劇団四季が、いかに凄いかがわかる。

 立っているのにもかかわらず、海の中にいるように、体をゆらゆらと揺らし、まるで、海の中にいるようだ。プロだなあ、と何度となく思う。私たちのチケットは一万円を超えるものだが、一万円を払うに見合う時間だと、私たちに感動を与えるのは、凄いことだ。演者の中には、20代もいて、ここまでのプロ意識を育むのは、どうしているのだろうか。できれば、劇団四季の関係者に訊いてみたい。