どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

祖母との会話

 『ユニマチュード認知症ケア最前線』NHK取材班 望月健を読みながら、2年前に亡くなった祖母とのやりとりのことを思い出していた。
 それは、特別養護老人ホームに入所してからの祖母とのやりとりだった。
 祖母は冷蔵庫に何か入っているから食べなさい、と私に言った。お腹がいっぱいだからいらないと私は返す。すると、祖母は実家に寄ってきたのか、と訊く。私は、寄って来ていないと返す。帰った方が良いと祖母が言う。同じやりとりを、4〜5回、続けて繰り返した。
 その会話は、祖母が私によく言っていた会話であり、どうも感情が伴うエピソードを思い出しているようだった。私の顔を見る、昔のある思い出が感情と共に思い出す、今、話すと言うように。だから、祖母が話している会話が、その時点の出来事と食い違う内容でも、昔、猫を飼っていて大切にしていたのかとか、私が道外に住んでいた時期のことが印象深いエピソードだったんだとか、その時の祖母の感情を改めて知る機会となった。
 『ユニマチュード認知症ケア最前線』にも、感情が伴う記憶は、しっかりと記憶に残ると書かれていて、やっぱりそうだんだ、と思った。もう少し、ユニマチュードについて知りたいと思った。
 お盆と正月には、親戚一同が、祖母宅に集まった。祖父も、祖母も、亡くなってしまったら、親戚一同で集まる機会が減ってしまうのだろうかと思っていたが、今年、祖母宅に集まることはなかった。冬だからだろうか。お盆の時期には集まるのだろうか。