どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

世の中に埋もれているおもしろい本を探しに

 早朝の歌舞伎町を散歩した。泥酔した男性が、アスファルトの上で気持ち良さそうに眠っていた。お兄さん、もう一軒いかがですか?と客引きが声をかけてくる。アジア系の外国人女性2人が、手を振ってきたので、私は笑みを浮かべ、手を振り返す。朝食を食べられる喫茶店を探したが見当たらず、時間もあったので、伊野尾書店に歩いて、向かうことにした。満員電車に乗るのも嫌だし。

 Googleマップで、伊野尾書店と入力して、時々、位置を確認して歩く。大久保の街並みを眺め、神田川を通り過ぎ、落合に入ったところで、くたびれ、バス停の椅子で休憩したのち、伊野尾書店がある中井商友会に入った。この雰囲気が落ち着く。

 開店してまもない時間。伊野尾書店の店長、伊野尾さんが、店先で本を並べていたので、帽子をとり、挨拶をし、店内に入った。

 不定期シリーズ「店長が世の中に埋もれている面白い本を紹介する」で紹介されていた高野秀行『メモリーエスト』を手にとる。伊野尾書店の魅力は、こうした世の中に埋もれて出会うことがなかったであろう本と出会えることで、伊野尾さんがXで紹介していて買おうと思っていた本。

 新書の棚に行き、「VIVANTで話題沸騰」という黒地に赤字の帯が目に入る。先日、VIVANT好きだと思うよ、と友人が薦めてくれて、ドラマはまだ観ていないが、帯に惹かれて、石井暁『自衛隊の闇組織』を手にとる。

 「この出版社知っていますか?フェア」も楽しみにしていた。初めて聞く出版社もあり、ここでしか出会わないであろう本を数冊を手に取る。

 伊野尾さんに、飛行機を乗り遅れたこと、追悼展に行けなかったこと、この前、伊野尾書店で購入した山下素童『彼女が僕としたセックスは動画の中と同じだった』がおもしろかったこと、その本に登場した新宿ゴールデン街に、昨日、行ったこと、ただ、店に入りずらくて、入らなかったこと、二村ヒトシの本も読みたくなって、『すべてはモテるためである』も読んだこと、ただ、本棚に並べるのは忍びないので、電子書籍で購入したこと、中島弘象『フィリピンパブ嬢の社会学』も、おもしろかったこと、なんで、新書なんでしょうね、と話をし、その続編の『フィリピンバブ嬢の経済学』も店内にあることを知り、『フィリピンパブ嬢の経済学』も手に取った。

 伊野尾書店だからこそ、出会える本があり、伊野尾さんから、紹介してもらえる本をこれからも楽しみにしている。

 

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