どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

がんばれ

 季節感を大切にするようになったのは、いつからだったか。年を重ねたからなのか、出会った人からの影響か。何日か経ち、職場の元部下の影響だったということに気づいた。その元部下は、夏になると、決まってウォーターボーイズをレンタルして観るとのことだった。その頃からか、私も、ウニ祭りと称し、一年に、一度、ウニ丼を食べに行くようになった。ずっと積丹町に行っていたが、今年は、余市町のウニを食べに行ってきた。

 そして、夏といえば甲子園である。甲子園が終われば、私のなかでは夏が終わる。四季のなかで唯一、この日から秋とはっきりしているのが、夏である。

 私が、円山球場に到着した頃には、第一試合、函館大有斗対札幌新川の試合が始まっていた。バックネット裏は、いつものように満席で、私は、三塁側の応援席を横切り、人があまりいない三塁側の外野席側に座った。スコアボードを見ると、初回に函館大有斗が3点を取り、リードしていた。北北海道大会は、スタルヒン球場で、南北海道大会は、ここ円山球場で、毎年行われる。

 イニングの合間、合間に、持参した鈴木忠平『虚空の人』を読んでいた。『清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実』の続編のような本だった。

 早めの昼食にしようと食堂に向かった。まだ、11時半杉だというのに、すでに食堂は行列ができていて、食堂で食べるのは断念し、2階の売店で、円山球場カレーを買うことにした。柱に、大会のトーナメント表が貼られていて、見るとはなしに見ていると、準決勝からはエスコンフィールドで、試合をすることになっていた。北北海道大会も、南北海道大会も。どうなんだろう。高校球児は嬉しいのだろうか。第一試合は、函館大有斗が勝利した。

 続く、第二試合は、札幌南対北海道栄だった。第一試合が終盤に差しかかる頃、札幌南が全校応援だとアナウンスが流れた。日曜日に全校応援という場合は、学校から指示があり、平日に代休になるのだろうか、それとも、参加したい人の希望をとるのだろうか。後者の場合だと、スタンドには、それほど野球に興味がなさそうな生徒もいたような気がするから、前者だろうか。札幌南の応援席からは、がんばれと叫ぶ生徒の声が聞こえた。がんばれって、誰からか応援されたことってあるだろうか、誰からか、応援される機会って、そうそうないのではないだろうか、と思った。

 第三試合の札幌第一対札幌北の試合も見たかったのだが、妻を迎えいに行く時間になったこともあり、球場を後にした。どことなく雨の匂いがして、雨が降るのかな、と空を眺めた。