どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

本屋・生活綴方

 本屋・生活綴方がある妙蓮寺駅に降り立つ。改札を出て、Googleマップを開き、本屋・生活綴方を目指して歩いた。

 本屋・生活綴方を知ったのは、岩手県で開催された文学フリマに行った時のことだった。文学フリマに、本屋・生活綴方が出展していて、出展者の中岡さんと話をしたり、薦めてくれたZINEを購入した。ZINEは、どれもおもしろかった。本屋もあると言っていたので、いつか行ってみたいな、と思った。あれから、まだ3ヶ月しか経っていないのか。割と早く、実現した。本屋・生活綴方は、妙蓮寺駅から、あっという間だった。

 本屋・生活綴方の場所を確認して、昼食を先に食べることにした。喫茶店に入り、ミートソースを注文して、その日、泊まるホテルを携帯電話で探した。本屋・生活綴方に行った後は、fuzkueで、夕食を食べながら本を読もうと思っていたので、できるだけfuzkueに近いホテルが良いなと思って探した。割とホテル代が高かった。

 昼食を食べたあと、本屋・生活綴方に向かった。石堂書店の向かいに、本屋・生活綴方があった。ホームページか何かで見た写真の通りの店構えだった。店内には、欲しい本がたくさんあった。楽しみにしていたのが、詩集を探すことだった。他では、出会えなさそうな詩集を選ぶ。

 トランクケースを持った男性が店内に入ってきた。旅行者も訪れるのか、と横目に見ながら、本を眺めていると、店員か誰かが、その男性と会話しているのが耳に入った。私は、心の中で、えっ、えっ、あの人が、矢萩多聞さん?とそわそわした。店の奥からは、中岡さんも出て来た。二人は、一言、二言、言葉を交わし、店の奥に入っていった。

 店員の女性は、よろしければ、決まった本をお預かりしましょうか、と声をかけてくれた。私が手にしていた本の中に、矢萩さんの本もあり、気づいた女性が、先ほどのかた、矢萩さんですよ、と教えてくれた。はい、私も先ほど、あの人が矢萩さんだということを知りました。緊張して、声をかけれませんでした、と返した。せっかくだから、本にサイン貰えば良いですよ、と女性が言ってくれたが、頼んで良いものなのだろうか。女性と、話しながら、じっくり本を選んだ。矢萩さんと中岡さんの笑い声が奥から聞こえてきた。

 しばらくして、矢萩さんと中岡さんが奥から出てきた。私は、中岡さんに声をかけた。岩手の文学フリマでお会いしたものです、と。どこかでお会いした顔だなあ、と思ったんですよ、そうでした、岩手の文学フリマでお会いしましたね、奥様は、今日はいらっしゃらないんですね、と中岡さんは覚えてくれていた。

 店員の女性が、矢萩さんにサインをお願いしてくれていた。本当にありがたい。就職しないで生きるにはシリーズの『偶然の装丁家』を読みました、と矢萩さんと一言、二言、言葉を交わした。今日は、なんてラッキーなんだ、と丁重に、挨拶をして、本屋・生活綴方をあとにした。