どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

自由研究

 仙台に住んでいた頃、一ヶ月に一度、妻と少しだけ贅沢な外食をすることにしていた。行きつけの店は寿司屋、南欧料理、和食と三店舗あり、ローテーションしていたのか、その月に食べたいと思う店に行っていたのかは記憶が曖昧だ。その頃、行っていた寿司屋は、これまで生きてきた中で一番美味しかった寿司屋であり、いまだにあの寿司屋に行きたいなあ、と思い出すことがある。

 そんなことを思い出し、スペイン料理の店に妻と行った。妻は、パエリアセットを、私はナポリタンセットを注文した。店内は、小さな子ども連れでも来れるように子どもが遊べるスペースやおもちゃなんかが置かれていた。会計時に、おもちゃなんかが置かれている一角に置いてあった紙を手にした私に、店主が、小学一年生のうちの子が自由研究で作ったものだと教えてくれた。私は、キウイのじてんと書かれていた小冊子を手に取った。ホッチキスで止めた自作の小冊子だった。キウイの絵とキウイの簡単な説明が書いてあって、キウイには赤色もあることを知った。タブレットを支給されるらしく、自分の興味のあるものを調べて、調べたものの中でも驚きがあったものを書いたのだろうか。その小冊子は、キウイのじてん以外にも何冊かあった。全て自作のじてんだった。

 私も子どもの頃、自作の漫画雑誌を作っていたことを思い出した。そして、今もなお、自分の本を作りたいと思っている。