どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

秘密基地

 部下に、これから旅に出ます。探さないでください、とメッセージを送り、私は、3連休に入り、現在、札幌市手稲区の、とある宿にいる。道路を挟んだ向こう側にはパチンコ店がある。そういえば、若かりし頃、旅先でパチンコをして負けったっけ。この道は何度か通ったことがあるが、ここに宿があることに気づかなった。見ようとしていないものは見えない。

 スキンヘッドの宿主に、どうみん割で宿泊したい旨を伝える。どうみん割のシステムを何となくしか理解していないのだが、どうみん割を使用すると、私の宿泊費は、実質、一泊千円を切ることになる。ああ、助かる、助かるなあ、と言う私に、スキンヘッドの宿主は、どうみん割が、いかに得かを説く。一泊千円を切るだけあって、寝られれば良いという男しか宿泊していない。今のところ、女性には出会っていない。寝床は、狭くて息苦さすら感じたが、ここが押入れだとして、その押入れに簡易的なベッドと、簡易的な机があり、しかも電源があって、荷物を収納できるスペースがあるなんて、小学生の私だったら、秘密基地として、胸躍らせたことだろう。ふむ。ここを秘密基地と呼ぼう。

 秘密基地で、宿にあったゴールデンカムイを読みながら、気づいたら、寝ていて、起きてみれば、それなりに泊まれるな、と思った。5泊の予定ではあるが、この破格の安さなら、さらに泊まっても良いかもしれない。