北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

 遠出する時は、仕事を終えた夜に出発するのが良い。というか、待ちきれない。

 妻と二人、北海道の南を目指して出発したのが21時。あいも変わらず、私は助手席でうとうとし、妻が何か言葉を発しているなあと、目覚めたら、窓の外は雪が降っていた。いつしか、母が言った、峠を越えるのであれば、ゴールデンウィークまで冬タイヤを履いていた方が良いという言葉を思い出した。中山峠の道の駅だった。

 夏タイヤのままであれば進むことも、戻ることも危険だった。道の駅があって幸運だった。今日は、ここで泊まろう。車中泊するために購入したマットレスに空気を入れ、寝袋を出し、毛布をかけた。気温は0度を下回ったあたりで、寝袋は冬用ではないが、毛布をかければなんとかしのげる気温だと思った。窓は曇っているが、雪が降り続いている。太陽が出た昼くらいには雪も溶けるだろう。雪が溶けたら帰ろう。

 寒さで目覚めたのが朝の4時。ドアを開けると、雪が靴の底が隠れるほど積もっていた。トイレに行って、二度寝。起きたのが7時だったか、定かではないが、峠越えをする車が何台も走っていた。皆、スタッドレスタイヤを履いているのだろうか。帰ろうと思ったけれど、少しだけ進んでみようと、車を走らせた。道路は濡れているものの、凍ってはいない。夜であれば凍っているか目視できなかったが、明るければ、凍っているか、凍っていないかは目視できる。中山峠を越える頃には青空も見えてきて、私たちは、南を目指しことにした。

 森町の道の駅で車を止め休憩をすることにした。案内板を眺め、あの綺麗な山は、駒ヶ岳という名前だと知った。桜がある公園と隣接している道の駅だったため、散歩することにした。

 桜が満開だった。立派な桜の木が何本もあった。桜守という人がいるのかは知らないが、ここの公園の桜は、何年も、何年も、大切にされてきたのだろうなということは、なぜかわかった。