昔、読んでいたブログをブックマークから消していない。
20代の頃、毎日のように更新されるのを楽しみにしていた。
その人のブログには、時々、好きな映画や本のことが書かれていて、かなりの確率で同じ映画を観て、同じ本を読んだ。
その一冊が、豊田道倫『たった一行だけの詩を、あのひとにもめられたい』で、どんな紹介のされかたをしていたんだっけと、久しぶりに、昔、読んでいたブログを開いて探したけれど、見つけることができなかった。
なぜか、この本は、ずっと覚えていて、いつか読んでみたいと思っていた。
読みながら、前野健太『百年後』を思い出した。前野健太も、シンガー・ソングライターで、スタイルが似ていると書く文も同じテイストになるのだろうか、と思った。
怪しげというか、陰があるというか、そんな感じで、私は、好きだった。
表現をやると何か意識してしまうのかつまらなくなる。評価されたいと思うと、面白くなくなる。豊田道倫『たった一行だけの詩を、あのひとにもめられたい』p105