どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

雪の訪れを伝える虫


ふと窓に目をやった俺は、凝視した。

「雪か?」

小さな、小さな、白い粒が、
ふわり、ふわりと、宙を舞う。
いくつもの、白い粒が、宙を舞う。

「雪だ・・・、やっぱり雪だ。・・・あれ?雪虫は?」


北の大地へ、雪の訪れを伝える虫、

雪虫”。


雪虫は、羽虫みたいな小さな虫なんだけど、
おしりに、ふんわりとした綿のようなものがついていて、
まるで雪みたいな虫。

その雪虫が出てくると、
まもなく、雪が降るという知らせでもあった。


子どもの頃、雪虫が出てくるのが当たり前で、
おっ、そろそろ雪が降るんだなとは思ったけれど、
雪虫ね、ふ〜ん。くらいな存在。

夏の王者、クワガタは、
子どもの人気ベスト1で、
その人気といったら、
もうダントツ。

雪虫は圏外。
子ども心を、なんら、くすぐらない虫だった。


しかし、一旦、北海道を離れてみれば、
あんなロマンティックな虫もいなかったなと思いなおし、

「北海道には、雪虫がおります。北海道には、雪虫がおります」と、
周りの友達に、言って歩いたわけ。

「それは、是非とも見てみたい」

そんな声にお応えするべく、
今年の冬は、写真に撮って紹介しようと思い、
その意気込みは半端なく、
たぶん、北海道で一番、雪虫を待っている男と化し、
その時をずっと待っていたわけ。

それが、雪虫は見ずに、”雪”。

ちょっと待ってくれよ、雪ってことになるでしょ。


俺は、その日に、あわてて母に電話をし、

「雪が降っているけれども、雪虫がでていないじゃないか」と半ば抗議口調で母に詰め寄った。

「いや、一週間前に出ていたよ。今年は、ちょっと数が少なかったみたいだけど・・・」と、母は、軽くいなす感じで返答をする。

「だったら、教えろや!」って言いそうになったけれども、
それは、八つ当たりに近いものがあり、
そもそも、「今年の俺は、雪虫を楽しみにしております」とも伝えていなかったと、
ぐっと堪えた。


そんなわけで、雪虫を写真に撮れなかった。
そもそも、あの小ささで、写真に写るかなって心配もあったんだけど、
出逢ってすらいないからね。

悔しいから、絵を描いて載せたのが、今日のTOP画となります。



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