どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

待ちわびて


拝啓


最近は時々、あなたの横顔を見ます。
早く再会したいものです。
待ち遠しいです。

まあ、まだ会いたくないって人もいますから、
もうしばらく我慢はしますが、俺はあなたに会いたいです。

まあ、人の評価なんて気にしないでください。
まあ、俺に言われなくても、
いつも変わらないですけどね。


その、柔らかさ。
その、あたたかさ。


俺が、あなたの良さに気づいたのは、まだそんなに月日が経っていません。
まあ、俺の人生なんて、あなたにとっては、一瞬にもならないくらいの短いものですがね。
まあ、ある意味、俺にとっても、あなたは一瞬ですけどね。


窓から見た、あの景色。
まだ覚えていますよ。
みんな、そりゃあ、笑っていました。
みんな、そりゃあ、胸をときめかせていました。
まぶしかったですよ。
俺が就職も決まらなかったから、
余計にまぶしく見えたのかもしれないですけどね。

あなたの友達、さくらはあなたと同じように優しかった。
柔らかな桃色。

「あ〜、きれいだなあ」って思いましたよ。

そうだ。
そういえば、ベンチに座っている時も、
あなたは柔らかな風を、俺の所に運んでくれましたね。
柔らかな日射しも。
心地が良い温度も。
そして、友達のさくらはそこにもいて、
気持ちよさそうに、ゆらゆら揺れていました。

その時も、
「あ〜きれいだなあ」って思いましたよ。

それからですよ。
俺は一年に一度、あなたに会えることを楽しみに、
東に、西に、南に、北に、あなたを追う。

あまりにも待ちわびているものだから、
ちょっと手紙を書いてみようかと思って、書いてみました。


それでは、今年も最高のパフォーマンスを見せてください。
俺もそろそろ冬眠から目覚めます。


敬具


春 様

                                     平成十八年二月二十四日
                                     楽雲庵塾塾長 楽雲庵