どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

心で泣いた悪ガキ


そんなに昔ではないけれど、
あるところに2人の悪ガキがいました。

2人の悪ガキは、学校帰りに、ある遊びを思いつきました。


インベーダーゲームをしよう」。


何を思ったか、実写版、インベーダーゲームをしようということになったのです。
どういうふうにやるかというと、
1人の悪ガキは敵の役をやります。
そして、もう一方の悪ガキは、その敵に小石を投げます。


2人の悪ガキは、交代で、お互いに小石を投げ合っていたのです。


すると、1人の悪ガキが投げた小石が、頭に直撃しました。


あれよ、あれよという間に、1人の悪ガキの頭からは血が流れてきます。
今まで、そんな大量の血を見たことがありません。
それは、それは焦ります。
焦って、「チリ紙を洗濯してくる」とまで言ってしまうくらいの混乱ぶりです。


1人の悪ガキの頭から血が出たことによって、実写版、インベーダーゲームは終了しました。


いじけて家に帰りました。
次に怖いのは母です。
悪事がばれてしまう恐怖です。


すると、母は、頭に包帯をグルグルまいて、公園で遊んでいる悪ガキを見て、こう言います。


「どうしたのかしら?」


とうとう母に言わなければなりません。
怖くて、怖くてたまりません。
しかし、言わなければなりません。


「あれは、俺がやったんだ。石を投げて、遊んでいたらあたっちゃった」


予想どおり、母は怒ります。
仕方がありません。


母はあわてて、その悪ガキの家に謝りに行きました。


「帰ってきて、また怒られるのだ」と一人ぽつんと待っていました。
そこに母が帰って来ました。

すると、母はこう言います。


「自転車で転んだんだって言ってたよ。一人でけがしちゃったんだって。」


石をぶつけてしまった悪ガキは心で泣きました。


頭を包帯でグルグルまいた悪ガキは、
親に怒られないように嘘をついてくれたのです。
一人で、転んだんだって嘘をついたのです。