この文章を一人のトモダチに捧げます。
まだ、紹介したいトモダチがいる。
気づいたら、シリーズで連載してるみたいな感じになってきた。
今日、紹介するトモダチは、保育園の頃に出逢ったトモダチ。
実家に帰る時に必ずと言って良いほど会うトモダチ。
飛行場もフェリー乗り場も近いというのもあるけれど、このトモダチの良さは、気を遣わなくて良いところにある。
「北海道に帰るわ。○日、開いてるか?」と聞くと、
「もっと早く、連絡しろ」と、いつもめんどくさそうに答え、時には会えないこともある。
この前の帰省の時は・・・。
「そういえば、旭川にいるって言ってたよな。俺も今日、旭川にいるから、明日の朝、車にのけてって」というと、
「考えとくわ」とだけ言って、電話を切った。
俺は俺でいつものことだから、「それでいいや」と答える。
朝になると、早目に出てきて、送ってくれた。
帰る日も、そのトモダチは仕事に行き、俺は、そのトモダチの家で、マンガを読んだり、ダラダラ過ごす。
そして、仕事が終わるとフェリー乗り場まで、送ってくれる。
何年も同じようにしている。
この前、思い出話をしたことを紹介して、終わりにする。
俺等は、高校まで電車通学をしていた。
3時間に1本くらいしか走っていない電車。
1両だけの電車。
夏休みになると、電車を待っていられないから、時には自転車で帰ってくる時もある。
12キロ。
遠い。
俺は、野球部。そのトモダチはサッカー部。
部活が終わり、そのトモダチが丁度、自転車で部活に来ていた。
「代わりばんこに自転車をこぐから、二人乗りして帰るべ」
そのトモダチの自転車の後ろに乗り、12キロ先の家まで帰ることになった。
まもなく、そのトモダチは、喘息になった。
1キロもこいでいない。
残りを、俺がこぐことになった。
その話を、この前の帰省の時に話したら、そのトモダチがこう言った。
「あれは、もともと俺のチャリ(自転車)で、お前が便乗したいっていったんだろ」
「そうだ。その通りだ」
あの時から、気を遣っていない。
なんぼ、仲が良いトモダチでも最低の礼儀は必要だ。
トモダチだけじゃなく、家族でも同じだろう。
だけど、長くつきあって行きたいトモダチとは、なるべくお互いが気を遣わないような関係でいたい。