どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

俺たちの轟

 十年前、北海道に引っ越しをしてきて、荷解きもできていなかったから、妻と松喜という名前のラーメン屋に行った。ラーメン屋の名前は、松井秀喜を連想させた。そのラーメン屋に、十年ぶりに行き、正油ラーメンを注文して、世田谷ピンポンズ『世の中には、素晴らしい音楽があって、素晴らしい小説があって、素晴らしい漫画があって、素晴らしい映画があって、素晴らしい俳優がいて、素晴らしいお笑い芸人がいて、素晴らしい喫茶店があって、素晴らしい♾️があって。この後に及んで自分が何か創ったりする必要など全くないのではないか。そんな思いになっても一晩ぐうすか眠って起きてみると、歌を書いたりしている。』を読んだ。『品品喫茶譚』も良かったけれど、『世の中には、素晴らしい音楽があって、以下略』も好きだった。特に、父とのツーマンライブin家の話が良かった。学園祭で歌うことも、路上で歌うことも躊躇われ、家で父の前で歌った話。父は、オリジナルソングを、否定もせず、笑いもせず、聴いてくれたというエピソード。そういえば、先日、久々に実家に帰ったら、昔、私が作った写真詩が玄関に飾ってあって、恥ずかしくなった。

 

 話変わり、ここのところ毎週、土曜日の夕食時に、妻が撮りためた『虎に翼』を観ている。その日も妻と大量の餃子を食べながら、プロ野球を観ながら、『虎に翼』を観た。

 1ヶ月ほど前、妻が『虎に翼』がおもしろいよと薦めてきたが、私はドラマを観る気がしないので、俺はいいや、と断ったのだが、たまたま妻が観ているところに居合わせ、本を読みながらチラ見していたら、引き込まれ、優三さんが戦争に行った時は泣いた。今となっては、伊藤沙莉すげえ、伊藤沙莉すげえと、伊藤沙莉のファンにすらなっている感が否めない。妻に、轟と似てると言われて、私は、轟のことはあまり知らないのだが、どういうところか、と訊くと、轟は九州男児、と言っていて、男たるもの、ってこと?と訊くと、そうだと言っていたので嬉しかった。