たまあに、社会人なりたての頃の自分が頭の中に登場する。
だめなことばっかりが頭を過ぎるけれど、
一生懸命ではあったな、とも思う。
あれから10年は過ぎた。
その頃に出逢った友達から、昨日、今日と立て続けに連絡が来た。
一人は、今は電話できないとメールを送ってるにもかかわらず、
電話をしてきて、それが何か嬉しくて、ついつい話をし、
もう一人とは、もうどれくらいぶりかも覚えていないくらい久々の電話だった。
その友達は、堂々と胸を張り、電話口でこう言った。
「苦しいかったけれど、仲間に恥じぬよう働いてきた」
そういえば一緒に働いていた頃は、
そう思って働いていたっけな、とその話を聞きながら思い出した。
「じゃ、子どもの世話があるから切るわ」
それはそれはものの5分くらいの電話。
電話を切った後、煙草の煙をゆらゆらさせながら、
もう一度、友達が言った言葉を反芻する。
仲間に恥じぬよう働いてきた。
あいつ、かっこいいじゃねーか。
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