なんだ、なんだ、どうして、こうも蚊は俺を狙い打ちするんだ。
夏は、もう終わりを迎えているというのに、
蚊は、ここぞとばかりにラストスパート。
俺は腕に3カ所刺されている。
刺されるといえば、蜂の話。
そうそう、今日は、蜂の話をしようと思ってね。
大した話じゃない。
タワイモナイ話。
蜂に刺されたのは、たぶん小学校に上がるか、上がらないかの頃。
それ以来、刺されたことはない。
蜂は、熊と同じように、こちらが危害を加えようとしなければ、
刺さない。熊は死んだふりをすれば、襲ってこない。
そんな巷の噂。
そんな巷の噂を真に受けた俺は、
蜂を前に、じっとしていたわけですけれども、
刺してきた。
あまりにも意表、意表のなにものでもない。
たぶん、食い終わったアイスの棒を持っていたせいだ。
絶対そうだと、今でも思っている。
「アイスの棒を持ったまま、蜂には近づくな」と、子ども達には教えてやりたい。
蜂は刺したら、死ぬとばかり思っていたけれど、
刺さない蜂もいれば、何回でもさせる蜂もいるんだね。
ちょっと調べて、初めて知った。
長年持ったイメージは、なかなか払拭できるもんじゃない。
俺の蜂のイメージは、「自分の命と引き替えにしても、一矢報いる」。
そんなイメージがある。
気合いが入っている虫だと、一目置いている。
「蜂」っていう字もかっこいいな。