「北海道では、一家に一台、ジンギスカン鍋があるんだ。大阪では、一家に一台、たこ焼き器があるようにね。」
と自信を持って言いたい。
自信を持って言うためには、それなりの裏付けとなるデータが必要になってくる。
そういうわけで、ジンギスカン鍋、一家に一台調査を実施するため、北海道に帰ることになりました。
ついでに、友達の結婚式に出席します。
ジンギスカン鍋を知らない来塾者の方も、当然いると思うので、少し説明します。
ジンギスカンは羊肉。
そして、ジンギスカンを焼く鍋は、専用の鍋があり、円形で、中央が膨らんでいるものを使う。
三月三日夕刻。
我が故郷、北海道に到着。
早速、調査を実施。
一人目の友達に会う。
家で飯を作って、ご馳走してくれるということで、その友達の家に訪問。
友達がトイレにむかって、しばらくたつと、何やら、トイレの方から声が聞こえる。
「あけてー」。
トイレの所に行ってみると、
「閉じ込められた」と焦った声を出す友達。
ドアノブを見るとドアノブがない。
なぜ、この家は、ドアノブを外しているのか、疑問に思うが、救出するほうが先だ。
俺はジンギスカン鍋調査員から、一気にレスキュー隊へと化す。
「安心してください。私は今まで、数々のトラブルを乗り越えてきております。」
とりあえず、ドアノブがついていた場所の穴に指をつっこんでみる。
が、開くはずがない。
少々、強引だが、戸を外そうとする。
が、びくともしない。
笑いが止まらず、作業に支障をきたしている厳しい状況。
トイレに閉じ込められている友達も何とか出ようと、トイレットペーパーの芯を入れてみるが失敗。
厳しい。
かなり厳しい。
どこに何があるかもわからない、勝手のわからない友達の家。
あきらめかけたていた、その時。
「ドライバーが電子レンジの上にあると思う」と友達。
俺は友達が閉じ込められているトイレを離れ、台所へと向かう。
ドライバーを発見。
すぐさま、友達のもとへ。
「そっちから、トイレットペーパーの芯を入れろ」とレスキュー隊に化した俺が指示を出す。
トイレットペーパーの芯の中に、さらに、ドライバーをつっこむ。
無事、救出に成功。
その後、ジンギスカン鍋があるかどうかの聞き取りを終え、ひさしぶりに、いろんな話をし、夜中まで、話しは及んだ。
現在、ジンギスカン鍋がある北海道の家。70%。