こんなにすごい会社が日本にあることを知らなかった。
しかも支店が、北海道にあるなんて。
その会社の名前は、日本理化学工業という。
日本理化学工業とは?
神奈川県川崎市にあるチョークを作る会社。
1960(昭和35)年、2人の知的障がい者を受け入れたことをきっかけに、障がい者雇用をはじめ、現在は、社員の7割が知的障がい者である。
7割って・・・。すごい・・・。
その知的障がい者が、現場の最前線で働き、戦力になっている会社。
日本でいちばん大切にしたい会社での紹介により注目される。
2人の知的障がい者が雇用されるようになったきっかけの話、大山泰弘会長のこと、大山隆久社長のこと、そこで働く社員のインタビューが綴られていて、日本理化学工業のことがよくわかった。
個人的には、大山会長の結婚式の話が好き。
結婚式には、社員全員が出席し、障がいのある社員たちが集まって歌を歌ってくれたんだって。
世の中には、結婚式に参加したことがない障がい者の方って結構いるんじゃないかと思って、素敵だなあと思った。
なぜ働くのか?
宝くじが当たったら、仕事はやめる?
仕事は、生活するためにしなければならないことではある。
ただ、世の中には、働きたくても働くことができない人もいる。
この本を読んでいると、働けて喜んでいる障がい者がたくさん登場する。
日本理化学工業の社員は、「障がい者に働く幸せを教わった」と言っている。
なぜ、だろう?
本を読み進めていくと、こんな言葉に出会う。
その言葉は、会長が出席した法事で、住職から聞いた「人間の究極の4つの幸せ」という話。
物やお金をもらうことが人としての幸せではない。
人に愛されること
人に褒められること
人の役に立つこと
人から必要とされること
褒められること、役に立つこと、必要とされることは働くことで得られる。(「虹色のチョーク」小松成美)
この本は、働くことについて考えさせられる。
福祉を仕事にしている人は必読書。