どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

歩くということ(1)

携帯電話の着信履歴から、
目的の電話番号を探し、
緊張しながら発信ボタンを押した。


呼び出し音が何度か鳴る。


Rrrrr.Rrrrr.


呼び出し音を聞きながら、
もしかしたら、いないのかもしれないなと思った。
それくらいの回数を鳴らした。


Rrrr.Rrrr.


電話をするか迷っていたのに、
呼び出し音を聞きながら、
家に居て欲しいなと思った。


電話口に女性の声が聞こえた。


良かったぁ。
俺は、名を名乗り、目的を話した。

女性の声のトーンが変わった。
少し慌てた様子で、近くにいる旦那さんを呼んだ。
旦那さんに、再び名を名乗り、目的を話した。


「もし、ご迷惑じゃなければ、手紙のお礼とお線香をあげさせていただけないでしょうか?」



俺は、モチダさんの息子さんからもらった手紙を持って新潟にいた。



幸運なことに、休みが続いたから、
新潟の友達に会いに来ていた。

せっかくだから、モチダさんのところも、
手紙より、お会いした方が良いんじゃないかと思った。
ただ、いきないだから、迷惑かもしれず、電話をかけるのをためらった。


突然の電話にもかかわらず、
モチダさんの息子さんは、
お待ちしてますと言ってくれた。



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花のついた帽子の物語 過去の日記


花のついた帽子の物語
楽雲庵塾三周年を迎えるにあたり
花のついた帽子と地震
贈り物
花のついた帽子の物語〜一本の電話〜



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