凡の花

いろいろあるけれど、それでいい

Rolling,Rolling,Rolling


友達が、オーストラリアに旅立ち、2年ほどの月日が流れた。

友達が北海道にいた頃も、俺は新潟にいて、
会っても1年に1回程度だったけれど、
住んでいるところが外国ともなると、
2年が長いように感じた。

全く、連絡をとりあっていなかったわけじゃあない。
たまあに届く手紙や、ポストカード、ピンチの時にかかってきた電話で、
ある程度の近況は知っていた。

その友達と昨日、俺が住んでまもないこの町で、
2年ぶりの再会を果たした。
3週間ほど日本に滞在し、再び、オーストラリアに戻ることになっている。

友達が、彼氏も連れてくるということは、手紙かメールで知っていた。
彼氏は、オーストラリア人。

お互い、照れた感じで挨拶を交わす。
そんな想像をしていたわけではないが、
体格は、想像を超えた、ごつさだった。

再会した頃、あたりは薄暗くなっていて、
店に着いた頃には、夜になっていた。


「それだけ話せれば十分だろ」俺は、友達が話す英語を聞き、友達に言う。
俺は、会話のほとんど、英語を使わず、
彼氏も、日本語がわからないから、
友達が間に入り、通訳する。

彼氏には、悪い感じがしたが、俺は、友達に聞きたかったことを聞くことにした。
「オーストラリアに行って良かったか?」
「うん」
「そうか」
友達が笑っているにこしたことはないが、日本にいたいと言わないのも、何か寂しい感じがした。
そして、また質問をする。
「よく、決断して、オーストラリアに行ったよな。どうして行こうと思った?」
「ちょうどその頃、ワーキングホリデーで2カ国くらい行っている人の話を聞いて、すごい、行きたいって興奮してね。仕事も、うまくいってなかったし、その仕事は、いつでもできると思った。ワーキングホリデーは、30歳までだし、行くなら今しかないと思ったの」

友達は、自分の気持ちに対して真っ直ぐだ。
オーストラリアに行く前から、そうだった。
恋愛に対しても、仕事に対しても、自分の気持ちに真っ直ぐだった。

真っ直ぐは、時として、体当たりになることもあるし、
いろんなものにぶつかることも結構ある。
ぶつかった分、悩むだろうし、時として涙する。

友達のすごいところは、転がり続けること。
前向きとかじゃあない。

絶望を味わっては、当分、泣いて過ごし、
いつしか自分の足で立てるようになって希望を見つける。
そして、行動にうつす。
そこは、そこで、壁にぶつかり、また、悩み、不安を抱く。
それを繰り返す。
転がり続けたのが今。

そろそろ時間だし、帰ろうかとした時、友達は言わないとと言った感じで、口を開く。

「私達、結婚することになった」

止まった。
時間が止まった。

「ということは、もう、日本に帰ってこないのか?」
「当分、帰って来れないと思う」

転がり続けて、辿りついた場所にいる友達を喜ぶべきだけど、
何か、それはそれで、淋しい感じがした。
羨ましいのもあるのだろう。
そんなことを感じながら、祝福の言葉を伝えた。



幸せ願っても、届くかわからんけれど、
願い続けた奴は、届くかもしれない。