2日後。
おばちゃんが言っていた、あの曲は、高橋優のボーリングっていう歌ですよ、と言うべく、おばちゃんの店に行った。
いつものように、商品をレジに持って行く。
「この前の曲、わかりましたよ」
「えっ?なんだっけ?」
えっ?ええええええええ。
覚えてないの?おとといの話なのに覚えてないの?
適当だな、おばちゃん、と思っているところで、
ちょうど高橋優のボーリングの曲が、店内に流れた。
有線、Aの26チャンネル。本当によくかかるんだな。
「これです、この曲。耳につくって言っていた。めんどくさい、めんどくさいって曲」
「ああ」
おばちゃんは微笑みながら話を続けた。
「朝、起きるのもめんどくさい。仕事に行くのもめんどくさいってねえ。それじゃあ、どうもならんね。生活をするために、仕方なく仕事しているんだからねえ」
おばちゃんも、仕方なくなのかな。
質問するのは野暮ったいから、だまって聞いた。
仕事が生活のためってのは十分わかるんだけど、
仕方なくってのは好きじゃないなあ。