どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

河童のかわぐちくん(1)

君は四季の匂いを感じることができる?


僕は四季の2つの匂いは感じることができる。
実は、別の何かの匂いなのかもしれないけれど、
ああ、春が来るなって匂いで季節の到来を感じるんだ。
毎年のことじゃないし、匂いを嗅いだ、次の日も嗅げるってわけじゃない。
本当に、ふとした時に、季節の匂いがする。
そんな日は、いつも以上に空気を意識的に吸い込んで、
季節の移り変わりを楽しむ。

先日、友達と居酒屋で、ご飯を食べている時にも、そんな話になった。
友達が「私、四季の匂いが4つともわかるんだ」って話をした。

「え?4つとも?」驚きとともに、自分は2つは感じることができるんだって話をした。
2つの季節に匂いがあれば、他の2つの季節に匂いがあってもおかしくない。

「あと、かぜの匂いもわかる」

風の匂い?
僕は、必死で理解しようとした。

「かぜって、くしゃみとかの風邪ね。ばい菌の匂いって言うのかなあ。風邪をひいていない人でも、あっ、この人、風邪をひきそうだっていうのがわかる」

友達は、信じてないでしょ?って表情で僕の顔を見たから、
「信じてるよ」と答えた。

「インターネットで調べたら、風邪の匂いを感じることができる人は私以外にもいたんだ」
他にも、同じ人がいるのが嬉しそうだった。

「そういえば、俺の友達に、テレビの電源がついているのがわかる人がいる。テレビは暗いのに、電源がついているのがわかるの。ゲームをした後にテレビの電源を消し忘れてテレビが真っ暗になるでしょ。あれがわかるの」

「私にもいる!」

お互い、同じいる人がいるのが嬉しくて話は盛り上がった。

「私、霊感もあるみたい」

「いや、霊感があるのは信じるけど、その話は良い」
即答で答えた僕を見て、友達は微笑んだ。


そんな話で盛り上がった、その日の帰り道。
僕は久々に高校の時に出逢った一人の友達のことを思い出した。



河童のかわぐちくん。



かわぐちくん、元気だろうか?
今も、あの口癖は変わらないのだろうか?



これから、話す物語は、そんな河童のかわぐちくんの物語だ。




※この物語はフィクションです。




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