パチンコ会館玉将に行っていたのは、
あの人に出逢うためだったのかもな。
ポジティブ。
根拠もないポジティブ。
食事に誘う手紙をポケットにしまい、
パチンコ会館玉将に向かうために着替えを済ませた。
給料が入って、すぐの金曜日。
しかも『0』の付く日。
『0』のつく日は玉将デー。
お日柄も良し。
仕事もめずらしく17時きっかりに終わった。
まさしくパチンコに行けと言われているみたいだ。
颯爽と、お決まりの『昆虫に夢虫』に向かった。
パチンコを打ちながら、
先日、会った好みの子が勤務していないかと、周りを眺めながら打つ。
金は次から次へと台に吸い込まれ、
あれよ、あれよと2万円。
我慢だ、我慢の時だ。
まだ、誰もそんなに積んじゃあいない。
隣に座る雪駄を履いている男性が、
ここで当たりをひく。
隣の台が当たり出すと、
自分の打っている台は出ないんじゃないのかという錯覚に陥る。
それまで2万円を突っ込んだ台を移動した。
が、この選択が失敗。
次に座ったおばちゃんが、カメムシゾーンに突入。
カメムシゾーンは当たりが確定するゾーン。
そして、まもなく当たる。
雪駄を履いた男性が、
玉で一杯になった箱を後ろに置いて貰うために店員を呼んだ。
店員を見て胸が高鳴る。
先日会った好みの女性だった。
ポケットにしまってある手紙を意識した。
今日は、ジュースの販売員としてではなく、
店の店員として働いていた。
玉が一杯になった箱を後ろ側に置く。
大抵の店は、ジュースの販売員は販売員しかやらないが、ここはどうも違うらしい。
パンチパーマの店長も、時に、景品交換に回ることもある。
いろんな役割を掛け持ちしているようだった。
まあ、そんなに客もいないから、大変なんだろう。
いや、俺の財布も大変だ。
マイナス3万円になった時点で財布には残り1000円しかない。
近くにあるコンビニのATMに金をおろしにダッシュする。
コンビニから戻ってきたら、
雪駄を履いた男性、その隣のおばちゃんもたくさんの箱を積んでいた。
4万円を過ぎた当たりから、
今日は、当たる気がしなくなってくる。
が、すでに暴走モード突入。
意地。一度で良いから当てたい。
そして終わってみれば、マイナス6万円。
閉店まで残り1時間。
俺は、席を立ち、好みの女性を探した。
女性は、せわしなく働いていた。
まずは、トイレに行こうと、
トイレで用を済ませ、
再び、女性を探すが、
やはり、女性はせわしなく働いていた。
今日は、玉将デーだもんな。
今日のところは、今日のところは、
手紙を渡さないで帰ることにしようと、
いじけながら家路に着いた。
つづく。
※この物語はフィクションです。
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