どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

ジェームス・ディーン

俺が、高校3年生の時に着ていた学ランは、
先輩から受け継いだもので、
その先輩は、さらに、その先輩から受け継いだものだった。
裏地には、ジェームス・ディーン。
つまり俺は三代目ジェームス・ディーン。

たまたま、初代ジェームス・ディーンである先輩に再会した。
初代ジェームス・ディーンである先輩は野球部の先輩でもある。
俺が1年生の時の3年生。

野球部の上下関係っていうのは、
厳格なる規律のもとに組織され、
先輩の理不尽な命令も絶対服従という関係になっている。

現在は、もちろん絶対服従の関係にはないが、
先輩とは、そんなに会いたくないというのが後輩の心情。
が、その先輩を発見した時は、
嬉しくて、「お久しぶりです」と声をかけ、昼飯を誘った。
先輩の何人かは、今でも、再会をしたいと思う人もいる。
初代ジェームス・ディーンの先輩とは、
高校の時、以来だから十数年ぶりの再会だった。


その先輩の世代の野球部は強くて、
中学生の時も地区予選決勝までいき、
高校生の時も旭川地区予選決勝までいった。

先輩は、大学に進学してからも準硬式で野球を続けていた。
その話を聞き、地元の小学生の野球チームを教えたらどうかと俺は提案した。
俺の話を訊き先輩はこう言った。

「俺、そんなに野球好きじゃないって気づいちゃったんだよね」

「え?今更ですか?大学まで野球を続けて・・・。準硬式ったら本格的に続けてるじゃないですか」

「今更、気づいちゃった。プロ野球も、そんな観ないし、高校野球もそんなに観ないんだわ」

笑った。

昼飯のほんの小1時間という時間だったんだけど、
こうして社会人になった今、中学や高校の先輩と会うってのも楽しいもんだなと思った。
学生の時とは違ったものがある。

近々、二代目ジェームス・ディーンの先輩にも連絡してみよ。



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