どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

スーパーマリオブラザーズ後編

「どうせなら、全ての面をクリアしちゃるかぁ」と意気込み、コントローラーを握りしめる。


俺はマリオと化す。
スーパーマリオブラザーズの一員となる。


クリボーを踏みつけ、ノコノコを蹴っ飛ばす。
キノコを空中でキャッチしたと思いきや、
フラワーを得て、ここぞとばかりにファイアーをぶっ放す。


1面クリア、2面クリアと突き進む。
猪突猛進とはこのことだ。
この勢いでいけば、あっという間にクリアだと思った矢先、ふとした疑問がわき上がる。


なんで、クッパはピーチ姫をさらったんだ?



なぜだ・・・。



スーパーマリオブラザーズを最初にやったのは小学校低学年だったから、
クッパが、どうのこうのなんてのは、問題にもしなかった。
そもそもクッパがいる面にすら辿り着けなかった。

あれから20数年。
俺も大人だ。

クッパは悪者。そんな単純な答えなんてないのも知っている。


そして、辿り着いた一つの可能性。

そっかぁ、クッパもピーチ姫のことが好きだったんだな・・・。
怪獣みたいな”いでたち”だから、クッパは、告白ができなかったのか。


だけどな、クッパ・・・。


そんなことを考えながら、俺は、最後の戦いにのぞむ。

クッパをひとっ飛びして、一気に片をつけようかと思ったが、そこは、最後のボス。
クッパの後頭部に落下。

小さくなっていくマリオ。
だが、あきらめず、突き進む。

そして、ゲットしたハンマー。
辿り着いたピーチ姫。



やっとスーパーマリオブラザーズをクリアした。





スーパーマリオブラザーズをクリアし余韻に浸っていた数日後、
テレビがぶっ壊れた。

テレビ中央に画面が圧縮された。







それは、まるで、マリオがクリボーを踏みつけたかのようだった。





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