「ケータイのトラブルは、突然やってくる」
そう書かれている冊子が、俺のパソコンの隣に置いてある。
つまりは、携帯電話が壊れた。
水の中に落ちた。
水にやられること3度。
前回は、洗濯機の中で闘い、果てた。
落ちた車の鍵を拾うためにしゃがんだ。
その時に、ポケットから滑り落ちたのすら気づかず、
ふと目をやると、側溝の水たまりの中。
気づいて、すぐに画面をあけると、画面がつく。
「あぶねぇ、あぶねぇ」喜ぶのも束の間。
その日の夜に、電源がまったく入らない状態になった。
携帯電話がない=目覚まし時計もない。
俺にとって、朝に目覚まし時計の役割を果たす携帯電話がないのは、かなり危機的状況下。
もう起きれないのを覚悟の上で布団に入った。
「昨日、水の中に入った後に電源が入ったからな。電池でも替えれば良いんだろ」
そんなことを思い、今日の夕方、店に持って行った。
店員の女性は、違う電池を持って、
俺の携帯電話に挿入する。
「電源も入らないようです」
「それ(チップみたいな小さいカード)に、電話番号のデータとか入っているんですよね?」
「いえ、これには入っていません。電源が入れば、データの移行もできたのですが」
みたび、携帯電話のデータを失った。
携帯電話が必要な時期なのに。