「なんか、しつこく目覚ましがなっているなぁ」と、
眠い目をこすりながら、その音がある場所を探す。
「電話か・・・」
あたりは暗い。
今が何時なのかはわからないけれど、
とりあえず、出ることにした。
「もし、もし・・・」
「ホタルイカが上がってきました。これから行きましょう」
「・・・・・」
「ちょっと待て。どう考えても無理」
「ところで今は何時なんだい?」
「3時です」
「絶対、無理」
深夜3時に降り注がれるカウンターパンチ。
こうして俺の1日は始まった。
いや、また眠りについた。
前々からホタルイカを観てみたかった。
ホタルイカは、どうやら青く光るらしいという話を聞いてから、
一度、観てみたいなぁと思っていた。
ホタルイカミュージアムにでも行こうかと思ったけれど、
ホタルイカだけをみに、車を走らせるのもめんどくさい。
「まあ、いずれね」くらいに思っていたわけ。
そうしたら、ホタルイカ漁をしているという後輩に出逢った。
「ホタルイカを一度観てみたかったから、つれてってくれ」って、
頼んだんだけれど、どうも、ホタルイカ漁は、深夜に行われるらしい。
夕方くらいかと思っていたら、深夜らしい。
命がけ。
今日の朝、8時。
再び、電話がなる。
「ホタルイカとってきたんで、渡したいんですけど・・・」
「いや、これから仕事があるから無理」
やっぱり、ホタルイカから始まった1日。
あと、1時間後。
4月21日、深夜1時。
俺はホタルイカ漁に出かける。
すでに眠い。