どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

生活のハリ

 余白が主になれば、もはや余白ではなり得ないのか。余白は休み。ひさびさの休みを迎えた。私は、妻にバスの時間を調べてもらい、バスで大通公園に向かった。乗車中は、小川哲『地図と拳』を開いた。小川哲『地図と拳』を手にした時は、その本の分厚さに、厚い、と思った。読み始めると、これまで読んだ『君が手にするはずだった黄金について』や『君のクイズ』なんかとはテイストが違い、小川哲は、あの小川哲なのか、と思って、調べると、同じ小川哲だった。

 大通公園付近でバスを降り、時間が少しあったので、朝食をとろうと喫茶店を探した。ド・トールで、モーニングセットを注文して、席につき、Xを開くと、小川哲が10周年を迎え、新刊が発売されることを知った。携帯電話でカレンダーを開き、パソコンを開いた。11月に東京文学フリマに参加するのだが、もうひとつ、11月にイベントがあり、参加するかどうかで迷った。そこまで土日に休みが取れるのだろうか。ただ、ここで参加しておかなければ、当分、参加できるイベントがなかった。10月は、11月に向けた準備をすることにしていた。それに、それにというか、ここのところ、私に取って、10月は鬼門の月だった。ここ二年ほど、10月にトラブルに見舞われていたので、今年こそは、穏やかに過ごしたいと思っていた。そんなことを考えていたら、旅行会社の予約の時間となり、私は、ド・トールを後にして、旅行会社に向かうことにした。

 妻が、先日、おもむき、今回は、私が一人で旅行会社と話をすることにした。3月にオーストラリアに旅行に行きたいと思っていて、その相談だった。オーストラリアには2つの航空会社があり、それぞれの見積りを出してもらい、その差額が10万円近かったので、安い方で、予約をすることにした。担当者は、メリットとデメリットを織り交ぜながら説明をしてくれたので、判断しやすかったし、信用できる、と思った。

 自宅に帰ってきて、仕事を少しばかりして、今日は、妻が仕事だったので、私は、スーパーに行き、夕食の買い物に出かけることにした。10月は鬼門なので、内から整えるために、ヤクルトを買い、牛乳を買い、梅干しを買おうと思ったが買うことはせず、とにかく体調を整えようと思った。

 妻が仕事から帰ってくるまでの間、自分で飛行機を予約すると、どれくらいになるのかを調べた。すると、さらに安いことがわかった。妻にそのことを伝え、旅行会社を使わず、自分たちで予約しようということになった。20代の頃、毎月、毎月、旅行に行く計画を立てていた。旅行といっても、車で行ける範囲がほとんどではあったが、その予定が、生活にハリのようなものを作っていたように、今は思う。行きたい場所が、特になくなって、旅行に行く機会はめっきりなくなって、今年に入り、自作の本を作ってから、新潟に行き、鹿児島に行き、定期的に、こうして、予定があり、飛行機を使って、どこかに行くことが楽しくもある。秋や冬がずっと苦手で、それはこれからも変わらないとは思うが、こうしてどこかに行くことで、秋や冬も、楽しみを作りながら生活ができれば良いな、と思っている。