12月に引越しをするために、引越し業者に見積りを依頼する日だった。一軒目の業者は、レスポンスが早く、仕事をする上でのレスポンスの速さは信頼に繋がると感じた。
奥様と相談しなくて良いのでしょうか、と見積りに訪れたスタッフは私に尋ねた。はい、全て私が決めています、と答えた。引越しだったり、車を購入する時だったり、値切る交渉は私に委ねられていた。提示された金額は50%引きだったが、11万円で、こんなもんなのか、と思った。スタッフは、今、決めてもらえればさらにお安くします、と言ったが、私は、その話には乗らない。他の業者の話を聞いてから決めます、と答え、一軒目は終了し、二軒目は、午後からで、二軒目の業者は、さらに2万円ほど安い金額を提示してきた。二軒目の提示された金額を一軒目の業者に伝え、返事を待つことになった。
引越し業者との見積もりが終わったら、出かけようと思っていたが、すでに15時を回っており、めんどくさくなって、出かけるのをやめた。
文学フリマ東京の準備をしたり、くどうれいん『日記の練習』を読んだり、読みながら、夕食は、鍋が良いな、という気持ちになって、しゃぶしゃぶが良いなと思って、いつも何かかしら買うものを忘れてしまうので、携帯電話にメモをして、スーパーに買い物に行った。
先日、テレビでプラズマ乳酸菌のことを知って、プラズマ乳酸菌を買おうと思ったら、棚には、プラズマ乳酸菌の飲料が売れていなかったのか、そもそもそんなに置いていないのかはわからないが、私が4本買うと、残りは1本しかなかった。妻が、なぜ、プラズマ乳酸菌に興味があるのか、と訊いてきたので、10月はいつも調子が悪くなるから、体内から整えようと思って、と私は言いながら、そういえば今年は帯状疱疹にもなったし、ニュースではインフルエンザが流行っているというし、毎日のようにプラズマ乳酸菌を摂取しようと思っている。
同じく、テレビで、ソラチのしゃぶしゃぶのタレが美味しい、というを思い出して、私は、しゃぶしゃぶのタレが並ぶ棚の前で、あれはしょうゆ味を言っていたのか、味噌味を言っていたのかまでは思い出せなくて、しゃぶしゃぶに味噌味は食べたことないな、と思って、味噌味を買って、ポン酢もなくなっていたからポン酢も買って、肉300gを買い、帰ってきた。
一軒目の引越し業者から折り返しの連絡が来て、最初、提示された11万円から3万円下がって、ただ、私は、考える余地があると思って、妻と相談して、明日、連絡します、と電話を切った後に、奥様と相談しなくて良いのでしょうか、と尋ねられ、私の一存で決定します、と言ったことを思い出して、言ってること違うね、と思いながら、しゃぶしゃぶの準備をしていたところでラーメンを買うのを忘れてた、と思った。
ラーメンは欠かせなかった。私にとっての鍋は、肉と麺がメインだった。どうも、周りの人に鍋の食べ方を聞いたところ、麺は、鍋のしめとして食べる人が多いようだったが、私は、鍋の開始とともに入れていた。それは、幼少期からの食べ方が多分に影響していた。私は、中学生だったか、高校生の時、夜にお腹がすくと、冷蔵庫を開け、ラーメンを見つけると、ラーメンを茹で、ポン酢につけて食べていたことを思い出した。
ラーメンを買いに行き、妻を職場まで迎えに行き、今日の見積りの結果の話をした。妻は、決めて良いよ、と言った。
こうしてやっぱり長くなるあとがきを書きながら思ったのは、わたしの日記は、もしかするとその日一日の「あとがき」だったのかもしれない、ということだ。あとがきがなくていい日も、短いほうがかっこいい日も、長くないとどうしようもない日もある。
くどうれいん『日記の練習』p250
