妻を職場まで送るまでの間、私は、妻に、生まれ変わるとしたら、何の動物になりたい?と訊いた。同じ種族は選べないので、人間ではない動物を選ぶように、と続けた。妻は、猫かなあ、と言ったのを聞きながら、私も猫は思い浮かんだが、一度は、飛んでもみたい気持ちもあるので、鳥が良いのではないか、という話になり、鳥なら、鷹か鷲が良いのではないか、ということになった。群れないし、かっこいいということで。鷹と鷲の違いがよくわからないが。カラスは逞しいという話になったが、カラスは何やらコミュニケーションをとっているから、それはそれで大変そう。いや、私が鷹になったとしても、腹減ったあ、と飛んでいるかもしれない。鷹は鷹で大変かもしれない。妻が、虫は、人から気持ち悪いと言われるから嫌だなあと言ったので、私が神様になった暁には、他人のことをキモいと発言した者を、来世は虫にすることにする、と言った。
妻を職場まで送る10分間を繰り返す小説を書けるな、と思いながら、コメダに入って席についた。此元加津也『セトウツミ』を思い出した。先日、妻が、TVerか何かで、『セトウツミ』を観たようで、以前、私が『セトウツミ』面白いと言っていたのを思い出し、観たとのことだった。『セトウツミ』も、毎回、河川敷で、男二人が話をするを繰り返す漫画だった。
