どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

コンセプトのつくりかた

 次年度の事業計画に取りかからなければならないのに、どうもやる気が出ない。やらなければならないことがあると読書が進む。蔦屋書店でみつけた玉樹真一郎『コンセプトのつくりかた』を読んでいる。

 コンセプトがあると、事業計画が作りやすいというのが、ここ数年の私の感触である。次年度の事業計画をつくるにあたり、気分が乗らないのは、このコンセプトがよくないのだろうと思うに至り、そもそもコンセプトを正しく使えているのか、例えば、コンセプトとテーマの違いって何だろうかと迷走しだし、そんなことを考えているところに、蔦屋書店で、私のアンテナに引っかかったのが本著であった。

 玉樹さんは、Wiiのコンセプトワークから、ハードウェア・ソフトフェア・ネットワークサービスの企画・開発全てに横断的に関わった任天堂の職員とのことだった。

 コンセプトを作る第1ステップは、悪口を吐き出してもらうということだった。その悪口の中には、その人が持っている切実な願いが眠っていて、その切実な願いこそが、何かを猛烈に好きにさせる力を秘めているという。

 コンセプトとは、違うことが私の頭の中に浮かんだ。どういうことかというと、ここ数年、私は、意識的に前向きさをみつけることが大切だと思ってきたし、発する言葉も意識的に前向きな言葉を使うことが大事だと思ってきたけれど、どうも、前向きさだけではうまくいかない感覚があって、前向きさばかりを追求すると、人によっては苦しさに繋がっている感じがしていた。

 ただ、後ろ向きに引っ張られて、深みに嵌っていく経験を私はしているみから、やはり前向きさをいかにみつけていくかは大切で、前向きさというのは、人に押しつけられるものではないのだろう、と書きながら思ったりする。本著でも書いてある前向きで生産的でポジティブな発言を無理に求めたりすれば、仲間が貴重な悪口を言えなくなってしまうということに何かヒントがあるのかもしれない。

 読み進めながら、事業計画のコンセプトというか、盛り込みたい要素みたいなものが頭の中に浮かんできたから、ノートをカバンから取り出し、ボールペンで書き殴る。書き殴りながら、この視点抜けていたよなあと気づき、今度、チーム内で、みんなでワークショップをしてみようとか思ったりする。

 本著に、想像を超える、というキーワードが出てきて、近年、私も大切にしているキーワードだったので、そうそう、と思いながら、思考が脱線していく。誰かに喜びや感動を与えるのは、想像を超える必要があり、想像を超えるとなると、難しい、大それた感じもするけれど、要は、大きく想像を超える必要もなくて、相手が当たり前だと思っていることを少しでも超えれば良いというか、そんなイメージ。現在の私のプロの定義は、この喜びや感動を与えられるの人だと思っている。