北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

雪女

 北海道には珍しく水分を多く含んだ重い雪が降った日でした。信号待ちだったか記憶は定かではないのですが、車が道路上で、少しの間、停まっているときのことでした。助手席の窓を、こんっ、こんっ、と、女性がノックしました。車の窓を開けると、女性は、コンビニまで乗せていただけないでしょうか?と私に言いました。歩くには辛い天気だと思い、どうぞ、と、私は言いました。女性は、車に乗り込むと同時に、マスクをしてください、と私に言いました。確かに(新型コロナウィルスの感染が心配だし)、と思いマスクをしましたが、どこか違和感を感じたのは、この車が私の車だったからです。直線にして500メートル先に、コンビニがあり、あそこのコンビニですか?と訊くと、あそこではありません、と女性は言いました。私は、その女性が指し示す道を走りました。親切なかたですね。どちらに行くのですか?と女性は私に尋ねました。女性といくつかの簡単な言葉のキャッチボールをしました。女性が、(札幌の)大通公園に行くことはありますか?と言いました。私は、はい、と、応えました。大通公園まで、乗せてもらえないでしょうか?と言いました。何か、おかしな展開になって来たな、と私は思いました。大通公園に行くには行きますが、いつ行くかはわかりません、と私は応えました。行くときで良いので乗せてもらえないでしょうか?と懇願されましたが、そうなると、私の連絡先を伝えることとなり、それはめんどくさくなることが予想されたので、断ることにしました。女性は悲しんでいました。女性が指し示した先には、コンビニがあり、女性をコンビニで下ろし、別れました。