どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

探し物

 北の大地には爽やかな風が吹いている。夜になると肌寒いくらいで、カーディガンのような長袖が必要だ。そういえば、春に購入した黒のカーディガンが見当たらないことに気づいた。行きそうな場所を隈なく探し、それでも見つけることができず、職場の人々に尋ねた。最近、黒のカーディガンを見かけなかったか、と。

 数日前、このカーディガンは誰のだろうと話してました、と職場の後輩が言った。やはり、困った時は、人に尋ねてみるものだ、と私は歓喜した。私の必死さが、おもしろかったのか、後輩は笑いを堪えきれないというか、もはや笑っていたので、笑いごとではない、と一喝した。

 後輩が、このカーディガンですか?とLINEに送られて来た写真は、私のものではなかった。というか、もはやカーディガンでもなかった。せっかく買ったのに、と落胆し、自宅に帰った。

 

 ブログにコメントが届いた。ツチヤタカユキ『笑いのカイブツ』の続刊が今秋に発売されます、という内容だった。ブログにコメントが届くのは嬉しい。『笑いのカイブツ』の続刊がでるのも嬉しい。丁重にコメントを返し、amazonで、ツチヤタカユキと検索した。既に発刊されていて読んでいない本があることに驚いた。『笑いのカイブツ』を読んだあと、ツチヤさんは生きているのだろうか?と心配になるほどだったから、次の本はないものだと勝手に思い込んでいたのだ。検索した中にあった『Birthday cake』を読み始めた。短編小説のようだ。ブログを書きたいと思ったが、眠くなったので、眠った。

 

 6時に起き、洗濯をすることにした。洗濯カゴの奥のほうから、私が探していた黒のカーディガンが出て来た(私の洗濯の仕方は、洗濯カゴにたまったら上の方から洗濯をするため、洗濯機に入りきらなかった下のほうは洗濯されず、また上に新たな洗濯物が積まれるため、下のほうにある洗濯物は、当分の間、洗濯されないということがある)。職場の後輩から、え?洗濯カゴですか?と冷笑されているのが過ったが、それよりもカーディガンが見つかったことが嬉しく、良い1日の始まりだと思った。洗濯の間、ツチヤタカユキ『Birthday cake』を読んだ。