北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

検査結果

 電子カルテに書かれたR/O転移の疑いって何ですか?と訊いた私に、医師は、どこか言いにくそうに、肺癌のことですと言った。検査結果は2週間後だと言われ、この2週間は、いつもと違う2週間を過ごした。

 誰だったか、最悪を常に考えるようにしている、というようなことを言っていて、ここでいう最悪は、もちろん、癌を発症していることで、仮に癌と言われたら、私は、どのような行動(ここでいう行動というのは、残りの命をどう燃焼させるかということ)をとりたいか、もしくは、とるべきかということを考え、考えというか、直感的に頭の中に浮かび、実行に移そうと力が漲った。

 一方、ずっと考えていると現実になると言う人もいて、仮に、ここで余命を告げられても、それもまた運命と考えたり、やり残したことはほぼないしと思ってみたり、だけれども、まだ死にたくないと思ってみたりした。

 1時間ばかり、病院の待合室で本を読んでいると、医師に呼ばれた。私は、大きな鞄を置き、医師の言葉を待った。

 痰には、結核細胞も、結核に似たような細胞も、癌細胞も見つかりませんでした。血液検査にも異常が見つかりませんでしたか?(6本取りましたよね、血液)。はい、血液検査にも異常はありませんでした。私は、何かかしらの病気だと思っていたので、ここで何もありませんでしたと言われると、もはや、それは見落としているのではないか、と疑心暗鬼モードとなり、それを感じたかどうかはわからないが、レントゲンを撮ってみましょうか、ということになり、レントゲンを撮った結果、陰はなくなっていた。なくなるものなのだろうか。

 ともあれ、私は胸を撫で下ろし、病院をあとにした。見落としているという結果でなければ、この結果は、最高の結果だ。

 外は、横殴りの雨が降っていた。