どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

青さが完全に消えたような人間には魅力を感じない

 ここのところ休みの日には、病院に行っている気がする。今日は、耳鼻咽頭科に行った。舌にできものができ、痛くて行ったのだが、舌は、耳鼻咽頭科ではなく、口腔外科らしい。耳鼻咽頭科の受付で知った(受診前に、ネットで、舌、痛いと検索してはいるのだが...)。それならば、なかなか治らない痰について診てもらおうと思い、そのまま耳鼻咽頭科を受診することにした。

 午後の診療開始時間である14時に行ったのだが、午前の診療が終わっていなく、出かけますか?と言われ、反射的に、はい、でかけます、と答えたが、答えた瞬間に、やっぱり持参した本を読もうと、待合室の椅子に座って、桜井鈴茂『探偵になんて向いていない』を開いた。

 午前の診療が終わらず、そのまま午後の診療を開始するのだろうか。そうなると、医師や看護師は、昼食は摂れるのだろうか、と気になった。

 ここのところ毎日にように、桜井鈴茂『探偵になんて向いてない』を読んでいて、病院を出る頃には読み終わるページ数になっていた。

 「青さが完全に消えたような人間には魅力を感じない」

 本に出来てきた言葉が良いな、と思って、携帯にメモをした。確かに、私は、そんな人が好きかもしれない。

 桜井鈴茂『探偵になんて向いてない』を読み終わっても、まだ名前は呼ばれなかった。もしや、私が外に出たと思っていて、飛ばされているのかもしれない、と思って、受付に、戻って来てます、と伝えた。受付の人は、はい、知ってます、と言葉にはしなかったが、顔にはそう書いてあった。

 それにしても、患者が次から次に来る。それだけで、なんとなく良い病院かもしれないな、と思った。

 今日は、時間があるので、ゆっくり下の車の中で待ってます、と看護師に名刺を渡しながら話す男性が玄関のところにいて、目に止まった。名刺は、何百枚もあるんで、という言葉を聞きながら、社長だな、と勝手に想像した。運転手のような人がそばにいるし。

 やっと、私の名前を呼ばれたのが15時を過ぎた頃だっただろうか。きびきび動く、70代に近い、いや、70代かもしれない白髪の男性医師で、頭には、CDのようなものをつけていて、漫画に出てくる医師みたいだなと思った。レントゲンをとり、レントゲンをみながら、頭痛はしない?これは苦しいよねえ、と医師は言った。よく理解はできなかったのだが、扁桃腺は完治していないのだろうな、と思った。

 自宅のアパートに着いたのは17時過ぎで、こうしてあっという間に休日は終わった。