どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

皮膚科

Googleマップに皮膚科と入れた。評価が2点台と続く中、4.1と飛び抜けて高い点数の病院があった。写真は、どこか古い病院のようで、個人病院のようだった。診療案内には、外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、肛門科とあって、口コミを読むと、「ゴッドハンドをお持ちだと友人より教えてもらいました。本当にそうだと感じました。」、「他の病院とは治療法が少し違うので初診は恐らく驚きます。」、「本物の医者に出会いました。」、「いつも混んでいます。予約した方が良いです。」コメントを読んでいるだけで、そんな病院を一度、体験してみたくなっていた。

 

足の裏全体がひび割れて、時々、ヒリヒリ痛かった。冬の間、ずっとこんな感じで、治りそうもなかったし、そもそも、ただのひび割れではなく、水虫だったら、大変なことだと思って、病院に行くことにしたのだった。

 

病院に着くと、今日、休みなのかな、と思うほど閑散としていた。車は一台も止まっていなく、病院内に入ると、私ひとりだけだった。昭和の時代から使用されている病院なのだろう。備品すら昭和の時代から使われているようだった。テレビだけが最近のもので異質な存在として際立っていた。

 

ほどなくして名前が呼ばれた。初診は恐らく驚きますというGoogleマップのコメントにあったように、私も驚いた。医師は椅子に座らず、私だけが椅子に座る。男性医師は、私の前に膝をついていたかは確認していないが、下から私を見上げる。マスクが、あみあみというのか、すけすけというのか、マスクとして大丈夫なの?というマスクをつけている。これまで見たことのないタイプのマスク。50代だろうか。

 

雪はねなどで身体が疲れると、足に疲れがたまり、ひび割れます、と医師は言った。身体に溜まった静電気を出しやすくするため、私が調合したクリームをお出しします、とのことだった。私は、武術も嗜んでいるというようなことを言っていた。自分で調合したクリーム?となった私を見てなのか、怪しむ人がいるのを承知でのことなのか、全成分が書かれている説明書もおつけしますと医師は続けた。疲れているところなら、どこに塗ってもらっても効きます。目が疲れたら、目に塗ってください。目に入っても大丈夫です。まぶたに塗るんですか?と私は訊いた。そうです。お仕事は?イライラしたら、私は、頭にも塗ります、と医師は言った。万能な塗り薬じゃないか、と思った。目も疲れやすいし、腰も痛いし、肩も凝る。あっという間に、クリームはなくなるかもしれないと思った。ひび割れがなおっても、必要だったら処方してくれるのだろうか、と考えていた。

 

医師が調合したクリームなだけあって、院内でクリームを受け取った。私は、ビニール袋に入った、そのクリームを下げ、いくつかの用事を済ませ、自宅に戻った。