どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

人にはいろんな事情があると思うので

北海道では初雪が観測された。長い長い冬が来る。

 

めんどくさいが口癖の私は、まだタイヤ交換を終えていない。この休みにタイヤ交換をしておかないとと、重い腰を上げ、自宅近くのガソリンスタンドにタイヤ交換の予約をしにいくと、明後日にならないと対応できないという。

 

腰が重いのに明後日までは待ちきれない。当日、対応してもらえそうなところに持っていく。既に20~30台の車が待っていた。

 

10時くらいに着き、終わったのが15時。タイヤ交換をしてくれた自動車工場の時計をみながら、指を数える。5時間もここにいたのか。昨日の休み、何してました?と聞かれたら、タイヤ交換というだろう。その質問をした人は、え?タイヤ交換だけですか?と訊くだろう。そんなことを考えながら、タイヤ交換だけで一日が終わってしまうと、自宅に帰ってきた。

 

少しだけ仕事をして、気づけば、19時。本当にタイヤ交換だけしかしていないような一日だ。

 

ただ、一冊の本を読み終わった日でもあった。川上未映子『すべての真夜中の恋人たち』を読み終わった。1ヶ月近く読んでいたことになる。毎日のように本を読んでいた頃は、数日で読み終わる量なのに、毎日、読まなくなると、集中が続かないというか、読むのが一気に遅くなる。たぶん、書くという行為も同じことだろう。

 

奥手の男性と女性の恋の物語で、なかなか付き合うというまでにはいかない。なぜ、男性は、告白をしないのだろうか?とさえ思えてくる。そこは人によって違うのだろう、と言い聞かせる。

 

女性側から連絡を取らなくなる場面がある。それは1ヶ月半くらいだったか。女性は携帯電源も切る。つまり、男性側からは、連絡手段がなくなる。メールを送ることくらいはできたのだろうか。まあ、そんな場面。私だったら、うまくいっていたと思ったのに、なぜ?となる。なぜ?となって、よくわからないまま、ふられたと思うだろう。ああ、告白をしておけば良かったと後悔もするだろう。

 

登場する男性をみると、同性だからなのか、ちゃんとやって、と言いたくなる。もっと、自分からアクションを起こさない、とと思う。だけど、冬子さんは、そこに惹かれたのかもしれない。

 

冬子さんは、悩む。男性から告白を待つのではなく、いや、そんな期待は一切もたない。自分自身に、今まで、私は、自分で何かを選んできたことがあるだろうか?と振り返る。私は、冬子さん、そんな感じでも良くないですか?選んでないようで、たぶん、その時、その時で、なんとなくでも良い方を選んでいると思うんですよ。何かを掴み取るというより、流れの中で、決める。そんな感じが決断をする時には良いと思うんですけどねえ、と本と対話する。

 

この2人を主軸に物語は進むが、何人かの登場人物もいて、たぶん、同じ境遇の人もいて、その葛藤が、自分との対話というか、本との対話をすることになる。この本は、30代以降の、若くても20代後半くらいから読むと、それ以前に読んだ人との感想は別れるのではないでしょうか。

 

すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)

すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)