北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

旅に出ろ

早めに帰宅して、増山実『風よ僕らに海の歌を』の続きを読んでいて、気づいたら、寝ていた。ソファに座ったままで。起きて、立ち上がったら、腰のあたりが痺れていて、立っていられなかった。よたよた歩きながら、冷凍庫に入っているナポリタンをレンジに入れた。

 

私は夢を見た。最近、調子が悪い、とその人は、言った。珍しいな、と思いながら、恋愛がうまくいっていないの?と、訊いた。

 

理由はない。虚無感。虚無感わかる?と、その人は言った。わかるようでわからなくて、今、インターネットで調べたら、すべての物事に意味を感じられずむなしい感情とあった。理由がわからないなら、考えない方が良いよ、余計、どつぼにはまる、と私は答えた。

 

理由もなく、夜に涙が出てくると、その人は言った。そう言っていた人がいたな、と思い出しながら、どうしたら良いのだろう、と思った。

 

仕事を辞めたい。人間関係も煩わしい、という。私は、旅に出た方が良い、と言った。旅に出たからと言って、何か答えがあるわけではない。ただ、気分は変わる。

 

昔からアフリカに行きたかったと、その人は言った。いきなりアフリカはやめた方が良いと私は止める。

 

私も、20代の頃、インドに一人で行ったことがあると言った。私もインドにいきたい、インドで出家したい、と言ったので、どう答えて良いか、わからなかった。

 

うまいもんでも食べいこうよ、何好き?と私は言った。何が食べたいと言われても困る。嫌いなものがないのと、その人は、困った顔をした。

 

 

夏が来ないまま、夏が終わるのではないかというくらい涼しい。5月くらいに30℃に達したのは何だったんだろうか、と心の中で呟く。

 

外では雨の音とともに、花火が打ち上げられている音がした。