駐車場に車を停め、外に出ると、球場からスターティングメンバーの発表がアナウンスされるのが聞こえて来た。いてもたってもいられなくなり、足早に球場を目指した。
500円を支払い、球場の中へ。春だというのに、想像以上に観戦者がいる。私はバックネット裏、前から3番目に座った。
周りには、新聞の切り抜きやパンフレットを持っているおじさんたちが赤ペンを持ち、観戦している。私の将来の姿を見ているようだ。
富良野は49年ぶり2度目。49年前は、決勝まで進んでいる。
先攻の富良野は、1回表に2点を先制する。旭川支部大会では、旭川工業、旭川明成、旭川龍谷と立て続けに強豪校を倒してきただけあって強い。
札幌日大の打撃もすごい。さすが札幌支部のレベルは高い。得点を重ね、4回に一挙4得点を挙げる。この時点で2-8。6点差。
このままコールドになってしまうのかと思いきや、2番手の久保投手が後続を打ち取る。
驚いたのが、6回表の富良野の攻撃。代打川上が、バックスクリーンへ本塁打。選手層が厚い。途中から出場した吉村も、小柄ながら、良い動きをしていた。
この6回がターミングポイントだった気がする。バックスクリーンの本塁打のあと、無死1,2塁になり、浮足だっている投手を攻めきれなかった。
犠打で1死2,3塁の形を作り、3点差まで迫りたかった。
この試合、富良野は1つの犠打もしていない。これが、富良野の野球なのかもしれない。犠打はしないが、最低でも進塁打を狙っている打ち方をしていたし、とにかく、振りがするどい。安打数は、札幌日大と引けをとらなかった。
監督も、もちろんすごいんだろうけど、中学校のレベルも高いのではないだろうか。富良野は公立校で、出身は全て地元の中学校。
今大会、出場している旭川実業の主将も富良野出身だし、札幌第一にも、富良野出身の選手がベンチ入りしている。
夏の富良野にも注目だ。