毎年、クリスマスの時期になると、友達から手紙が届き、年末年始にかけて返事を書いて、一冊の本と一緒に送る。もう何年同じことをしているのだろうか。
一冊の本を選ぶ際に、その年、読んだ本を振り返る。振り返って、一番おもしろかった本を送ろうとして、結局、一番おもしろかった本は送っていない。友達は、この本よりも、こっちの方が喜ぶだろうなとか考えて、私にとって一番、おもしろかった本は送っていない。
そんなわけで、今回も今年読んだ本を振り返った。1位を選ぶことは難しく、最終的に特にオススメしたい本が6冊残った。
「圏外編集者」都築響一
どんな仕事をしてきたか?そして何を大切にしてきたか?を追っている時に、出会った一冊。久しぶりに、何か表現をしたいな、と思わせてくれた1冊でもあった。
「文庫X」
盛岡市のさわや書店が始めた「文庫X」。店員さんが、この本を売りたくて、だけど、そのままだと売れないし、どうすれば良いか考えた結果、本名を隠して売ることを選び、全国に広がった本。
「ぼくらの仮説が世界をつくる」佐渡島康平
仕事に関する本で、モチベーションの話、目標の立て方の話は、目から鱗だった。佐渡島さん率いるコルクの動向に注目している。
「亀岡拓次」戌井昭人
30代後半だから、この小説の良さがわかる気がする。
「へろへろ」鹿子裕文
先日、発表した私の生涯読書で17位に選んだ本。福祉を目指す人におすすめの本。
「なんのための仕事」西村佳哲
本人が信じても愛してもいないことに時間や力を注いだところで、その仕事は人を温めない。むしろ冷やすし、さらに言えば人の精神をバラバラにすると思う。この本で読んだ言葉なんだけど、本当、良い言葉だ。
今まで送ってきた本は、すべて小説だったような気がするから、ここら辺で、小説ではないものを送ろうかなあ、と思っている。もうしばらく考えよう。