いつも行っている美容師さんが、
「東北に友達がいましたよね?ずっと気になってて」と、
俺が席につくと、すぐに声をかけてくれた。
友達の無事が確認できたことを話し、
心配してくれたお礼を伝えた。
その日は、髪の毛を切ってもらいながら美容師さんと終始、東日本大震災についての話をした。
話は募金のことになった。
俺は、新潟で自分が被災した時の話をした。
作品展の最終日に被災したこと。
「なぜ、今日なんだよ、なぜ、今日、地震が起こるんだよ」って思ったこと。
作品展をさせてもらったオーナーが余震がおさまるまで作品を預かってくれたこと。
作品をとりに行くまでの間、作品展をそのまま続けてくれたこと。
オーナーが作品展の売り上げ、場所代を受け取らなかったこと。
俺も受け取れないと、そのお金をコンビニに募金したこと。
コンビニの店員が万札を入れているにもかかわらず、びびらなかったこと。
その後、友達が俺よりもさらに高いお金を募金したことを知り、びびったことを話した。
美容師さんが、「俺もこの前、同じようなことがあって・・・」と募金をしたことについて話をした。
「3万円募金したんですけど・・・」と話し始めたところで、びびった。
店内には、俺のリアクションの、でかさで声が響いた。
「友達が10万円を募金しているって話を聞いて自分の額は言えませんでした」と美容師さんは笑っていた。
美容師さんに「東北に知り合いがいるのか?」と訊くと「いない」と言う。
「いないのに3万円!?3万円でも十分にすごいっすよ」と話をした。
俺に東北に住む友達がいない状況で、
同じような行動がとれたかを問うまでもなく、
俺ならできないだろうなと思った。
募金をした額の話だけじゃなく、
何か行動を起こしたかという話も含めて。
自分ならやらなかっただろうなということをする人に出逢うと、
すごいなあと思うとともに、
世の中、捨てたものじゃないなとも思う。
美容師さんは、こんな話もしていた。
「リビアだったか、どこか忘れちゃったんですけど、内紛が起こっているところで、一旦、戦争をやめて、日本の方角に黙祷をしたそうです」
どこで、その話を知ったんだと訊いたら「ツイッター」だと言う。
俺も、そんな話しを知りたくて、昨日、ツイッターを始めたが、
いまいち、やりかたがわからない。
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