どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

たとえヤクルトをコップ一杯飲むってことでもな


「俺はやりたいことは、かたっぱしからやっていくよ。それが、たとえヤクルトをコップ一杯に飲みたいってことでもな」

以前、後輩にそんなことを言った。
後輩は、俺の話を聞いて笑っていたっけ。

ヤクルトをコップ一杯に飲んでみたい。

子どもの頃、家に、たまあにあったヤクルトを飲みながら、
このヤクルトちっちゃいな、コップ一杯に飲んでみたいなって思った。

ただ、その時、それをやっちゃうと、
家族から非難の嵐を受けることは、
目に見えていた。

母が買ってくるヤクルトは、たいてい5個つながりのやつだから、
俺が、ヤクルトをコップ一杯に飲むとなると、家族4人の誰かが、
もしかしたら、誰も、ヤクルトを飲めなくなる。

それまでも、体温計はお湯にいれたら、どうなるんだろうと、体温計を壊したりだとか、
卵が立つと聞いて、生卵をわっちゃっただとか(後で知ったけどゆで卵はたつね)、
実行に移し、実験は失敗し、母に怒られてきた俺は、
怒られるのも嫌だから、行動にはうつさず、
いつしか、ヤクルトをコップ一杯に飲みたいってことも忘れ、年を重ねた。
やりたいことは、年月の経過と共に変化をする。


俺は、ここのところ、子どもの頃にやりたかったことを思い出し、
その中でも、ヤクルトをコップ一杯に飲みたいってことは、何度も思い出したもんだから、それを実行にうつすことにした。

その時、その時、やりたいことをやらないと、なんにもできねぇよ。
たとえ、ヤクルトをコップ一杯に飲むってことでもな。

そんなことを思いながら、スーパーに買い物に行った。
ヤクルトを買うために。

これだけあれば、十分だろうと、ヤクルトを30本買い、
ヤクルトの後ろの表示に、”1日当たりの摂取目安量:1本”ってのを見て、
1本以上、飲んだら、どんな感じになるのかなと、ちょっと気になるが、
口に入れるもんだから、大したことないだろと、レジに行き、
袋に入ったヤクルトを持って、ばあちゃんちに向かった。


コップは、透明で、普段、ジュースを飲むくらいの大きさが良いな、
これが良いなと、ばあちゃんの家の棚からコップを取り出し、
一本をコップの中に入れる。

あれ?思いのほか、1本でも結構いくなと思いながら、また1本入れる。
30本も必要なかった、3本で、ヤクルトはコップ一杯になった。

拍子抜けしたけれども、俺が子どもの頃に理想としていた状態にはなった。


こうして、普段、ジュースを飲むように、ヤクルトを飲み干した。





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