目が覚めて、メガネをかけないまま、ぼやけた視界で、寝室の階段を降りて、居間を通り、トイレに向かった。
テーブルの下に猫がいると思って、はっとした。猫だと思った影は、箱ティッシュだった。
7月12日15時頃に、猫は息をひきとった。
昨日は、猫用のクッションに寝かせて、枕元に置いて、一緒に眠った。猫の夢を見たかったけれど、見れなかった。
今は、いつもいた居間のソファの上に、猫用クッションを移動し、時々、猫を見ている。
猫は、眠るように寝ている。
最後のお別れまでの間、猫の周りにアイスノンを置き、体を冷やしている。
溶けかけたアイスノンを取り替え、猫の名前を呼びながら、猫を撫でる。涙が溢れてきて、メガネを外して、ティッシュで拭い、鼻をすする。
長生きしたし、仕方ないとわかっているけれど、もう会えないのが、辛い。
仕事を終えて、自宅に帰ってきたら、にゃあ、とないてくれることもなく、ご飯をちょうだいと、カリカリすることもなく、胸の上にも、乗ってくれない。
ただ、ただ、悲しい。ただ、ただ、辛い。
涙や鼻水が、ひいては、溢れる。