猫が、おしっこをしたのを知らせようと、私の枕元まで来たというのはわかったのだが、布団から出るのが億劫だったので、そのまま眠った。
朝、起きると、やっぱり猫はおしっこをしていて、トイレの掃除をして、ねこにご飯をあげた。
私も歯ブラシなんかのルーティンを終え、テーブル脇に座ると、猫が膝に乗ってきたので、坪倉優介『記憶喪失になったぼくが見た世界』の続きを読んだ。
仕事に行く時間になったので、猫を膝から下ろそうとしたら、猫がイラっとしたのが伝わってきて、もう少しで、ふーと怒るところだった。
***
19:45にタイマーが鳴った。
今日の仕事はこれまで。今日は、人と会う約束をしていたので、そそくさと、職場を後にした。
ハンドルを握りながら、清原和博『告白』に載っていた仰木監督と清原のエピソードを思い出した。
清原の引退間際に、仰木監督は、何度も、清原に、うちにこい、とラブコールを送り続けた話。
仰木監督は偉大だ。野茂も、イチローも、仰木監督のもとでプレーした。
清原ではないけど、今日、会う人に、私はラブコールを送ろうと思っていた。私と一緒に働かないか、と。
待ち合わせの場所に迎えに行き、適当な居酒屋に入って、お互いの近況の話をし、本題に入った。
結果だけ言うと、断られた。仰木監督も、清原に断られた。仕方ない。これもまた縁だ。