どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

夜に読むと眠れなくなる危険な小説7冊

北海道には残暑が存在しないというほど、夏が終わると、一気に秋になる。雨が降るたびに気温は下がり、秋だな、と思っていたら、長い、長い冬に突入していく。

 

秋。秋らしいことをしたいと考えているんだけど、これといったものが思い浮かばず、思い浮かんだのが、読書で、読書は、年中してるしな、と思った。思ったけど、普段とは違った読書の仕方もあるのではないと、とりあえずというか、今回は、夜に読むと眠れなくなる危険な小説を、ご紹介しようかと思うに至った。

 

 

今村夏子『星の子』

星の子

星の子

 

病弱だった娘を救いたい一心で、あやしい宗教にはまっていく両親。その両親の元で育った少女がこの物語の主人公。この題材で、一冊の本がかけるのはすごい。あやしい宗教にはまっていくといえば、映画『愛はむきだし』もおもしろかったなあ。ここでは関係ないけど。

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佐藤多佳子しゃべれどもしゃべれども』 

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

 

話し下手の人たちが落語を通して、話し上手になろうとする話で、登場する人物たちの挫折との向き合い方が素敵で、登場人物を読みながら応援したい気持ちになって、捲る手を止められなくなる。読んでいると、自分も、がんばろう、と思えてくる、そんな一冊。 

 

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堂場瞬一『チーム』

チーム (実業之日本社文庫)

チーム (実業之日本社文庫)

 

箱根駅伝を走る関東学生連合の物語。本の半分くらいまで、ノンフィクションだと思って読んでいた。それほどリアル。箱根駅伝を走り始めたら、最後、走りきるまでページを捲る手を止められなくなる。

 

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荻原浩『二千七百の夏と冬』

舞台は、縄文時代から弥生時代にかけての物語で、私は、この時代にまったく興味がなく、最後まで読めるかなあ、と思いながら、ページをめくった。200ページあたりから読む手を止められなくなるって、過去の記事には書いてあった。いつの時代も、生きることの共通することがある。それは、食べること、寝ること、愛すること。

 

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早見和真『イノセント・デイズ』

イノセント・デイズ (新潮文庫)

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太宰治人間失格は、切なくて、読んでいられなくて、読むのをやめた。どの場面で、本を閉じたかも覚えていて、そこまで印象に残る本もすごいと思うんだけど、その太宰治人間失格を思い出したのが、早見和真『イノセント・デイズ』。イノセント・デイズも、切なくて、悲しくて、もうフィクションと思えなくて、同じような人が、どこかにいるような気がして、読むのをやめようと思ったんだけど、主人公がどのようになるのか目が離せなくて読む手を止められなかった。

 

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ツチヤタカユキ『笑いのカイブツ』 

笑いのカイブツ

笑いのカイブツ

 

お笑いに人生を捧げたツチヤタカユキの物語。その努力の仕方が、努力という言葉では足りないというか、努力という言葉では、当てはまらないというか、狂気という言葉に近いのではないかと思った。ただ、人間関係を築くのが苦手で、私は、そこも含めて、この本のすばらしさがあって、先日も、中高生に読んで欲しい1冊として、選んだ本である。本を読むと、やりきったのか?と問いかけられている感じがする。

 

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藤岡陽子『手のひらの音符』

手のひらの音符 (新潮文庫)

手のひらの音符 (新潮文庫)

 

45歳にして、転職をせざるを得なくなり、同じくして、高校時代の恩師が病気だと、高校時代の同級生から連絡が来て、物語は動き出す。動き出したら、手が止められなくなる。2018年オススメの1冊にも選んだ本で、外国に住む友人に送ろうと思って、まだ、送ってなかったと、今、気づいた本でもある。

 

 

ちなみに、下の記事は2年前の時に書いたもの。

rakuunanzyuku.hatenablog.com

 

危険といえば、ブルータスの危険な読書の合本が8月に出版されたのを知って、読みたいけど、買うかどうかで迷っている。 

BRUTUS特別編集 合本 危険な読書(マガジンハウスムック)

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